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日常の中の”大きな田舎”(読者からの寄稿)

読者の方から投稿をいただきましたのでご紹介したいと思います。
日常生活の中で、作り・育てるよろこび、これは、田舎暮らしの表面的な部分に戸惑いを感じている方々への、どんぴしゃの回答でもあるかもしれません。
以下、読者の方の原文です。

 ”団塊の世代が定年を迎える”の情報が新聞や放送で盛んに流されている。
小生も64歳で放送局の技術職を退職し、在職中に発症しためまいの症状とたたかい、且つ付き合いながら自分らしい生活を何となく築いてきて、いま67歳を迎えている。 
体調との関係で、自分に出来ることや楽しめることを選別しながら、失敗して自信をなくさずに、むしろ自信を一歩一歩高めていく中で楽しめる生活を追い求めてきたのだ。

40数年にわたる都市部でのサラリーマン生活を振り返ってみるに、それはそれは一生懸命会社という組織に尽くしてきたし、小生の仕事がら、放送施設のいわゆる建設や構築といった未来に残る”物”を残してきた。 それが小生の生き甲斐でもあったし、サラリーマン生活の足跡だと、いまでも多少の自負心はあるが。

しかし、退職後のここ数年の中でも、特に最近になって思うことはある意味”田舎暮らし”に共通する心理なのだろうが、自分の身の回りの衣食住に関係した事で、ささやかなものでも自分で作り又は育てて、それが今の生活にちょっぴりでも接点があることが、如何にうれしい出来事なのかをはじめて理解できるようになってきた。
 会社生活をしている時は考えもしなかったことだ。逆を返せばサラリーマン生活というものは、本当に地に足をつけた生活からは少しかけ離れたものだという事が今になってよくわかってきた。

● 作物の世話や収穫の喜びに目覚める!
3年ぐらい前から市民農園の一角を年額12,000円で借りて自分なりに耕し、好きな野菜を植えている。今年の目玉は沢山のトウモロコシと枝豆を収穫しようと気合をいれているところ。かぼちゃにも初挑戦してみた。
昨年の11月に植えた玉ねぎは、この7月中旬に最高の品質で約60個収穫した
たまねぎ   かぼちゃ

● 100年程も昔の桐のタンスの再生に成功!
すでに亡くなった祖母から受け継いだ100年程も昔の桐のタンス。
古くきたなくなったとはいえ捨てるわけにもいかず、昔のタンスの再生を手がけている家具屋さんに相談したら約20~30万円ぐらいできれいに再生できるとの事。しかし新しい桐のタンスを買える程の金額を投じることには大いに疑問を感じながら帰ってきた。
最近我が家の家屋は耐震工事を行ったが、その時の大工さんの素晴らしい仕事振ぶりが何とも小生の脳裏に残っていて、”自分でも何かやってみたい”と思っていたところだった。
ご先祖様のためにも、この際桐の古タンスを自分できれいに再生してみようと思い立った。自給自足の生活の一環だと考えてのスタートだ。そして作業開始から間もなく1ケ月。いま二段重ねタンスの上の段が完成した。大工さんがやってたカンナかけも何とかできたし、きれいになったタンスを見て自分でもにやりとした。これまでかかった経費(主に大工道具代と塗料代)は約1万9千円ほどである。
今日から下の段のタンスにとりかかったが、現状での写真を見て頂きたい。まあプロの仕事並ではないが、少なくともインテリアとしても、また実用品としても充分使えるものに生まれ変わっているではないか。
タンス再生  タンス再生

“田舎暮らし”は、必ずしも地方の自然豊かなところに暮らすことをさしているわけではありません。
それは、この体験談が物語っているように、それぞれが満足できる、人間らしい、自分らしい、と考えられる、とても身近な喜びや暮らしを実現することに等しいのかもしれません。
ただ、このような、仕事のやりがいや誇りとは全く異なる世界への気付きの機会がどこにあるのか、ということを考えると、やはり、地方の自然豊かなところに大きな可能性が眠っているのは事実です。