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スローフード/「味の箱舟」プロジェクト

イタリアから始まった“スローフード運動”(スローフードジャパン) の1つの柱に「味の箱舟」(アルカ)プロジェクトという取組があります。
「味の箱舟」(アルカ)プロジェクトとは、各地方の伝統的かつ固有な在来品種や加工食品、伝統漁法による魚介類など、このままでは消えてしまうかもしれない、小さなつくり手による希少な食材を、世界共通のガイドラインで選定し、その生産や消費を守り、地域における食の多様性を守ろうというもの。

世界を包み込もうとする「食の均質化」を「大洪水」(大量生産・大量流通・大量廃棄)に対し、未来の子供たちに“残したい味”を「箱舟」にたとえています。
イタリアでは、すでに500以上の貴重な食材を「味の箱舟」に選定するなどして、取り組みが進められているということで、アメリカ型に対峙する、欧州・イタリア発の世界戦略として注目されています。
日本では、2005年12月に初めての「味の箱舟」認定が公表され、認定された食材を味わい、生産現場を知ろうという“味の箱舟ツアー”なども開かれているようです。

初の選定食材
「八列トウモロコシ」 (北海道/スローフード・フレンズ帯広)
「日本短角種」 (岩手県岩泉町、山形村、浄法寺町、安代町、青森県七戸町など南部藩の山村地域および北海道えりも町など南部藩の流れをくむ地域/スローフード岩手、スローフード・フレンズ帯広)
「安家地ダイコン」 (岩手県岩泉町/スローフード岩手)
「花作ダイコン」 (山形県長井市/スローフード山形)
「雪菜」 (山形県米沢市/スローフード山形)
「余目ネギ」 (宮城県仙台市/スローフード宮城)
「長面の焼きハゼ」 (宮城県河北町/スローフード宮城)
「カタクチイワシの塩辛」 (長崎県雲仙市/スローフード長崎、スローフード東京)
「雲仙コブタカナ」 (長崎県雲仙市/スローフード長崎、スローフード東京)

注目は、『味の箱船』の選択基準です。下の条件を見てもお分かりのとおり、 環境にやさしく、保存に向いている持続可能な『種』の重要性 が強調されています。

[条件1]その生産物が、特別においしいこと。
(この場合のおいしさとは、その土地の習慣や伝統を基準にすること)
[条件2]その生産物が、ある特定の集団の記憶と結びついたものであり、ある程度の長い年月にわたって、その土地に存在した植動物の種であること。また、その土地の原材料が使われた加工、発酵食品であるか、あるいは、地域外からの原料であっても、その地域の伝統的製法によるものであること。
(この場合の記憶や年月は、現地の歴史に照らし合わせて判断する)
[条件3]その地域との環境的、社会経済的、歴史的つながりがあること。
[条件4]小さな作り手による、限られた生産量であること。
[条件5]現在、あるいは将来的、消滅の危機に瀕していること。
※3つの禁止事項
①遺伝子組み替えではないこと、遺伝子組み換え食品が生産の一部にも一切、関与していないこと。
②トレードマークや商業的ブランド名がついてない生産物であること。
③選ばれた後も、スローフード協会のロゴやかたつむりマークを、直接、食品に掲載してはならない。
※「スローフード・フレンズ帯広」のホームページより
※北海道のスローフード運動を牽引している方々のページ
スローフード&フェアトレード研究会
スローフード・フレンズ帯広

イタリアでは、自動車メーカーの「フィアット」がスローフード運動のスポンサーとなり、2年に1回、工場を使って「味の箱舟」の“市”が大々的に開かれるそうです。
また、「ブラ」という地方都市では、食の安全大学が国を挙げて設立されるなど、国家的運動としてのローカリズムが着実に進められているということです。

今や「スローフード」は日本全国に認知された食文化となっていますが、イタリアのように国家レベルでの戦略や、地域の戦略としてこのような取組に昇華されているかというと、まだまだというところでしょう。
しかし、「スローフード」は北海道が見習いたい夢ある世界戦略の有力なヒントであることに間違いはありません。北海道でしかできない食の文化性を形作りたいものです。