北海道の木育(もくいく)
『木育(もくいく)』は、平成16年度に、北海道が呼びかけを行った『木育推進プロジェクトチーム』により生み出された概念です。
「木とふれあい、木に学び、木と生きる」。
そのねらいは子どもの頃からの“森林や木を活用した生きる力の再生”にあります。
生きる力という面では、『食育』や『スローフード』と通じ、プロジェクトのお披露目の場でも、リーダーを務められた北海道環境財団理事長の辻井達一氏は、「食育があるのだから木育があっていい。そんなにたいそうなことをやろうとしているわけではなく、ごく自然なかたちで自分達の身近にある森林や木材と暮らしとのつながりを見直すことが大切。」と言っています。
この肩肘を張らない普段着感が良いと思います。
北海道庁では、昨年からこの木育の普及のため、全道に「木育ランド」という室内の大型木製遊具を展開する身近に木に触れ合える場と機会をつくり、多くの入場者を得ています。
小さい子どもを持つ親や祖父母にとって、非常に魅力的な取組なのだと思います。
また、北海道の『木育』の大きな特徴は、概念の組み立てそのものに民間人が多数参加していることです。この民間人の関わりが、その後の展開を加速させる重要な要素となっています。
全国区の会議への参加や、自らの活動の実践、普及活動など、ほとんど手弁当での活動ながら、北海道から提唱した意義が十分に読み取れる活動ばかりです。
例えば・・・・
★KEM工房のホームページ 作品もかわいいですし、NEWSにも注目です。主宰の煙山さんは、全国の森づくりや木使いに熱心な地域から招待され、木育プログラムを数多く提供し、熱心に普及しておられます。
★NPO法人ねおすのホームページ 全国的にも有名な自然を活用した遊びと教育プログラムが充実した活動団体です。この団体を卒業した人たちが全道で新たな活動を起こす好循環を生み出しています。
『木育』は、確かに森林や木との関わりがメインとなる概念ですが、その本質は、人の気持ちや物の見えない価値、そして自分達が生きる環境への愛着、それらを多様な取組のストーリーの中から発見し、つむぎ合わせる営みのことだと思います。
以前に紹介した旭川大学と東川町で実践されている「君の椅子プロジェクト」や、熊本県小国町の学校の机の天板を卒業証書にしようという試みは、そのストーリー性を持った文化創出の取組といえます。
企業の営みでも行政の営みでも実現できない文化づくり、北海道では、これを継承する前例にない仕組みづくりに着手しているという噂もあります。
私も非常に注目する『木育』、これからどのような展開を見せるのか、楽しみがつきません。