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2008年03月23日

緑提灯(みどりちょうちん)

 緑提灯は、国産食材、特に地元の食材を使った料理を出す店が掲げているもので、その数全628店
 地元の食材を地元で消費する地産地消に努める証になっています。
なじみの店に緑提灯を呼びかける応援隊もでき、掲示店は着実に広がってきているようです。
 国産食材をカロリーベースで50%以上使っている店が掲げ、利用率が50%で星印が1つ、10%アップするごとに星が増えていきます。
 この仕組みは、中央農業総合研究センター(茨城県つくば市)所長の丸山清明さん(60)が考案したものだそうです。

 緑提灯、面白いアイデアですよね。①地域が限定されない広がり、②明確なプロダクト思想、③北海道らしいDNA、これらを満たす取組が新しい戦略思想の1つだと思います。

 以下、“緑提灯応援隊へ参画のすすめ”のページからの抜粋です。

 緑提灯 は、食料自給率が40%以下にまで落ちた日本の農業をいささかなりとも向上させようとのボランタリー活動のシンボルです。
 緑提灯の趣旨と方法は、とても簡単です。
 国産や地場産品(穀物、野菜、魚、肉等)を積極的に使っているレストランや居酒屋等の店頭に「地場産品応援の店」と大書し、★を並べた緑色の提灯を掲げていただく。
 わが国の自給率が約40%なので、地場・国産品をカロリーベースで50%使っていれば★1個付けた緑提灯を掲げる、60%ならば★★、という風に★を1個ずつ増やし、90%以上ならば★★★★★です。
 従来から自給率を上げようとの運動は、さまざまなされてきていますが、多くは「官製運動」「認証主義」でした。しかし、昨今、老舗の偽装表示が問題となっているように、これらの方法では利益第一主義の下では限界があります。
 お店は食材の仕入先を知っているけど、お客はそれを知ることが出来ない、こんな情報の非対称性を補うためにも「正直を重ねて、信用を得る」ことを旨としている地道なお店だけに参加してもらうようにしています。
 いわば、緑提灯がお客を大切にする店主の「心意気」や「覚悟」を象徴しています。
 よって、★の数は店主の自主申告です。
 もし、違反した時の罰は「反省と書いた鉢巻を締める」「頭を丸める」等のお笑いみたいなものです。
 一方、消費者には緑提灯応援隊への参画を勧めています。
 応援隊員の義務は、「赤提灯の店と緑提灯の店が並んでいたら、ためらわずに緑提灯の店に入ること」、この1点だけです。
 また、隊員は普段利用しているレストランや居酒屋等、自分の目や舌で確認し、店主を信用できる店に 提灯を下げるように勧めることもできます。つまり、身の回りや近所のお店のお得意さんが「審判」です。
 こうして、お店は常連さんを確保でき、お客が安定し増えることによって売り上げが増える、そして、国産や地場産品の需要が増え生産者も元気になって行き、回りまわって、自給率向上に貢献します。
 これは、わが国では従来無かった取り組みでして、丸山清明さん(農研機構・中央農業総合研究センター所長)が2005年春に北海道で始めました。
 まだまだ初歩的な段階ですが、お店と隊員は北海道から沖縄県まで全国津々浦々に広ってます。
 みなさんにも「緑提灯応援隊」にご参画を頂き、馴染みのレストラン、飲み屋さんや地場産品販売所等でこの趣旨に相応しいお店がありましたら話題にしていただけますと嬉しいです。
 また、ご同僚の方々にもご紹介くださるよう、お願いします。

2007年10月03日

イギリス・スコットランドの農村事情

9月23日~29日まで、エジンバラ近郊(スコットランド)、ニューキャッスル近郊(イギリス)の農村に行ってきました。
エジンバラ


ニューキャッスル


「Ageing and Place Making」というテーマでの日英共同研究、この共同研究は、ニューキャッスル大学と北海道大学とが実施しているもので、主に、高齢者の流動の実態と都市部・農村部に与える影響を比較するものです。
私は、大学と関係ありませんが、北海道チーム(4名)にお誘いをいただき、貴重な機会を得ることができました。

日本では、2007年問題(実際には際立った動きが見られないが・・・)といわれる団塊世代の大量退職を機にした移住者誘致合戦が北海道を起点に国、そして全国に巻き起こりました。
既にイギリスでは、余生を自然豊かな地域でという高齢者が、都市部から農村部に移り住む動き進み、高齢者の著しい増加が社会問題化しているということです。
このようなイギリスの現状から見ると、北海道が発表している、「高齢者が移り住むと地域に大きな経済効果が生まれる」という理論が目からうろこだったそうです。

さて、私の関心はというと、「移住者は、地域づくりや地域産業に貢献しうるか」ということでした。
日本の現在の状況では、単なる「移住」に対しては実は懐疑的で、娯楽的なそれは、地域経済に何らかの貢献をしたにせよ、人材の不足にあえぐ農村の意識改革や農村の過疎イメージの払拭に必要なパワーにはならないだろう、という見方です。
移住者が、そこまでを望まないことも重々承知ですが。
もっともっと、企業が移住という動きから生じる利ざやを得ようとする動きとは、一線画し、受け入れる地域や都道府県レベルでの戦略が必要だと考えています。

「移住者は、地域づくりや地域産業に貢献しうるか」
スコットランドやイギリスでは、多くの農村の活動家や行政マンとの意見交換を行いました。
その中でも、大変印象が深かったのは、2つの街での取組みです。

◆Fife Arts協同組合(スコットランド)
都市部で博物館長をしていたジョンさんは、数年前に本地域に移り住んだ移住者。田舎の素晴らしい環境に憧れてやってきたが、地域の力が十分に引き出されていないことに驚き、自分の経験を活かしアートのワークショップができるまちづくりにチャレンジすることを決意。
ファイフ


元役場
既に建築後300年は経とうかという元役場(空き家)の建物を買い取るため、WASP(アート活動を行うチャリティ組織)に働きかけ、購入資金(2万ポンド約5百万円)を捻出。
さらに改修費用40万ポンド(約1億円)を捻出するため、スコティッシュ・アート協会、地元自治体、社会貢献企業、EU(LEADERプロジェクト)など9つの団体から資金調達を図ったそうです。
現在は、アーティストの間で大変人気が高い農村アトリエに改修中で、2人づつのルームシェアで8つの部屋(計16人のアーティスト)をつくるのだとか。そして、地元の子ども達や住民に様々なワークショップを提供するのだそうです。
注目すべきは、個人の思いであっても地域活性化に資する責任体制を有する“戦略的な取組”については、政府が受け止め人材・金銭面で支援するという相補関係。キーとなっているのはEUが主導するLEADER(Liaison Entre Actions de Developpement de l’Economie Rulai)という仕組みです。詳しくは次回以降に紹介しますが、経済的に不利な地域を重点対象とする農村住民が主体となり実施する農村活性化事業です。
このプロジェクトの枠組みの一部にジョンさんの活動が取り上げられたため、活動の信用力が飛躍的に高まり、資金調達が円滑に進んだといいます。

◆Douglas Water地区(スコットランド)
この集落は約100人の集落ですが、ボランティアが活躍するトラスト(市民の寄付や寄贈により運営される民間組織・運動)の活動がどれだけの力を発揮しているのかを目の当たりにしました。(この例は移住者とは関係ありません。集落会社という感じ)
The Rural Development Trustの「Community Transport & Training」(コニュニティ交通とトレーニング)は、農村地域の足となる交通9台の運営、ミニバスの貸し出し事業、廃油ディーゼル燃料の生成、風力による電力生成を有機的に連携させる事業と、移動バスによるIT環境やトレーニング機会の提供を行っています。
風力
バス9台の運転手は、いずれもボランティアが行い、その育成されたドライバーを民間のバス会社に供給しているそうです。明日の運行状況や予約受付状況は随時コンピューター管理されていました。
廃油ディーゼル燃料は、地域のレストランから出る廃油を譲り受け、7千ポンド(約1.8千万円)で購入した機械で、自前で燃料生成をしています。この廃油燃料は、イニシャルコストを除けばガソリンの半額程度のコストでまわすことができるということで、4000リットル/月を生成し、近い将来バス全車に供給予定とのことです。
廃油ディーゼル生成
移動IT車、これは驚きました。人口密度が極めて薄い田舎を回りながら、IT基盤がカバーしていない地域の孤立した高齢者に集会・交流の場をつくるとともに、インターネットスキルをつけてもらおうという狙いのようです。
ITモバイル


ITモバイル車中
この取組においても先ほどのLEADER事業が適用されており、人材・資金そして行政のバックアップを全面的に受けて事業運営がされています。

2007年08月12日

doinaka流ビジネス

doinaka流ビジネス
「doinaka」=「DO!田舎」なのです。

安全・安心農家への再生産保証
田舎社会への資金循環による地域経営
多くの人が幸せを感じられる北海道ライフの確立
生産者と小規模仕入れ組合の計画取引とマイクロ配送システム
北海道型地域共同店(農家アネックス)
契約専門圃場、鶏、豚、牛の放牧飼育
独自の基準管理の運用・情報公開
農業と企業の相互利益システム
地域・環境再生貢献証書の販売(寄付行為)
企画・経営・改善コンサルタント
共同クラブハウス(宿泊・研修)の保有、地域展開

(番外)
人生の証スペシャルVIPコース(年間限定4組(春夏秋冬)の厳選田舎のお任せの旅、7泊8日300万円、夫婦人生の記録エッセイ取材・作成をかねて)
子どもの身だしなみコース(箸づくり、机椅子づくり、トンボ・クワガタとり、デザインセンス、自然体験、絵画、礼儀)
企業新人研修コース(1次産業を知ることがトップ企業マインドである)

2007年04月16日

NPO法人日本プロ農業総合支援機構

商社、商品メーカー、金融機関などの異業種法人と個人が会員となりノウハウを出し合い、国内・国際的に通用する農業者の育成を図る強力なNPO組織が平成19年2月2日に設立されました。
NPO法人日本プロ農業総合支援機構という名称のこの組織は、理事長に伊藤忠商事会長を据えるなど、役員にビックネームをそろえ、いわゆる商社をはじめとする企業群の農業育成を通じた企業戦略の一つでしょう。
日本の農業については、現状が良く分かりませんが、以前からささやかれている担い手の人材不足のほか、国外農産品との競争力を考えた機動的なバックアップ体制の弱さが気になるところです。
農家の方々が安心して素晴らしい農作物を作ることに没頭するためには、農家の方々がイメージする、生活者や消費者の顔が見える農業と、いわば、企業的に国内外の競争戦略を組み立て、実行を支援する機能を、連携する別の機関が担う必要があります。
しかし、その支援は、農作物の原料供給からは当然まかなえるものではなく、やはり加工品の開発、販売支援や国際競争への参入までも担うことで、費用捻出を行う必要がある、という判断をした結果がこのようなNPOの出現につながったのではないかと思います。
設立メンバーは、アグリビジネス・ソリューションズ㈱、アサヒビール㈱、NPO法人阿蘇エコファーマーズセンター、伊藤忠商事㈱、カゴメ㈱、㈱クボタ、住友化学㈱、日本ブランド農業事業協同組合、(独)日本貿易振興機構、農林漁業金融公庫、ヤンマー農機㈱の大手どころ。
会員数は、60名(平成19年3月15日現在、法人・個人含む)。
それにしても、これまでのNPOでは考えられないビッグネームですね。違和感がぬぐえませんね。
北海道では、財団法人北海道農業企業化研究所という、これと使命が同様の中間支援機関があります。
これらの新しい動きが、これまで企業も参入に二の足を踏まざるを得なかった農業界に、どのような旋風を起こせるものか今後の動向を注目したいものです。

2007年01月15日

総務省の「頑張る地方応援プログラム」

総務省は、昨年12月19日、地方交付税の一部を地方自治体の努力に応じて配分する「頑張る地方応援プログラム」の概要を発表しました。
総務省から発表された概要資料はこちら!
自治体独自の取り組みを引き出し、地域間の競争を促すのが狙いで、07年度は2700億円を充て、08年度からは3000億円に拡充するそうです。
「地方の頑張りの成果」を地方交付税算定に反映させると手法は、一般にインセンティブ算定と言われ、
実施に当たっては行政改革、出生率、転入者人口など9項目の指標で評価されます。
プロジェクト対象例には、地域経営改革、少子化対策、地場産品発掘・ブランド化、企業立地促進、定住促進、まちなか再生、観光振興・交流、若者自立支援、安全安心まちづくり、環境保全などが挙げられています。
自治体間が生き残りを競う時代の象徴であるかのようなこの事業、公共事業ではなく、交付税に反映する点が良いですね。税額は別として、自治体の戦略が問われる時代です。

2006年12月13日

スカンジナビア政府観光局の「グリーンサンタ」プロジェクト

「グリーンサンタ」は、2002年にグリーンサンタはデンマーク、ノルウェー、スウェーデンのスカンジナビア政府観光局主催で始まった環境保護プロジェクトです。
このプロジェクトは、深刻な環境問題を、子ども達にも人気のサンタを通じて伝えるだけではなく、環境問題に関心の高い企業や国民の協力を得て、子ども達に国産の椅子や机を贈るような社会貢献事業も実践しています。
注目すべきは、自然環境を媒介とする社会貢献資金が、子どもの教育環境や森林づくりに還元される仕組みです。
この一見難しい仕組みをサンタを使って進めてしまうのですから、遊び心も素晴らしいと思います。

【グリーンサンタプロジェクト】
「活動による収益金」「企業からの寄付金」、「グリーンサンタクラブ(会員)会費」を、「グリーンサンタ基金」として造成し、以下のような社会貢献事業を展開しています。
1 子どもたちへの国産材の机・椅子のプレゼント事業
2 グリーンサンタの森づくり事業
3 子どもたちへの自然教育事業
4 活動をご支援いただく会員の方に向けての事業

「子どもたちへの国産材の机・椅子のプレゼント事業」http://www.greensanta.jp/contents_kind/santakikin/santakikin_main.htmlは、かなり面白いので概要を紹介します。
【国産材の机・椅子の寄贈先 公募のご案内】
「グリーンサンタ基金」では、平成19年度入学の新入生を対象として小学校単位での国産材の学習机・椅子の寄贈を行います。
本事業では、これまでのグリーンサンタの活動趣旨に基づき、子どもたちへの机・椅子の寄贈を通じて森林や自然を大切にする心、ひいては環境を大切にする心を育むと同時に、使った分の材に見合う植林を行い、森林を育成する一助として長期的な支援を行うことを目的としています。
【公募要領】
・平成19年度の新入児童受け入れ時点で、その新入児童に対する国産材の机・椅子の寄贈を受けることを希望する学校
・総合的な学習の時間や課外活動を通じて環境教育に取りくんでいる学校。特に森林に関連する継続的な取り組みを行っている、または今後行うことを予定している学校
・こうした取り組みに対して、積極的に地域との連携を図っている学校
・今年度の応募締切り 12月15日 ※あとわずかしかない!


また、札幌の身近なところでもこのプロジェクトに参加できるようです。
札幌市民におなじみの丸井今井デパートでは、〈ロイヤル コペンハーゲン〉のイヤープレート2007年版、記念すべき100枚目にあたる2007年は、デンマークの運河町ニューハウンのクリスマス風景がモチーフ。また、今回は環境保護キャンペーン「グリーンサンタ」を記念して緑のバージョンも発表。イヤープレート2007年版8,925円、グリーンエディション10,500円、察するにこの差額が「グリーンサンタ基金」へ寄付されるのでしょうね。

こういう遊び心を重視した資金循環と環境貢献を両立させる知恵、異国の国民の心や企業の経営フィールドにも入り込んで環境の重要性と大国スカンジナビアの付加価値を印象付ける戦略は、日本の環境首都である北海道が徹底的に勉強しなければならない戦略だと思います。


スカンジナビア政府観光局が2002年に書いているプロジェクト説明をご紹介しますので興味のある方はお読みください。。

グリーンサンタプロジェクトとは
スカンジナビア政府観光局「グリーンサンタプロジェクト」
現在、私たちの地球では、森林破壊、地球温暖化、生態系の変化など深刻な問題を抱え、私たちの大好きなクリスマスにも多大な影響を与えております。もみの木の森、雪のクリスマス、トナカイの減少・・・。これらは、毎年デンマークの首都コペンハーゲンで開かれる世界サンタクロース会議でも議題に上がっており、森林破壊問題はもちろん日本でも例外ではありません。
そこで2002年、私どもスカンジナビア政府観光局ではデンマーク大使館、財団法人オイスカの協力のもと、環境先進国であるデンマークからグリーンランドサンタクロース協会公認サンタクロースを招聘しました。彼は、日本でも森林保護、環境保護の精神を訴えるため、親善大使としてエコロジーカラーの象徴色を自らまとい、グリーンサンタとして来日したのです。
本年はデンマークのみならず、やはり環境先進国であるスウェーデン、ノルウェーとあわせてスカンジナビア3国の協力のもと共同プロジェクトとして展開することになったのです。

何故スカンジナビア?
環境問題に早くから着目し、きめ細かな対策を実施しているスカンジナビア。バイオマス、風力発電や環境税の導入はもちろん、教育面でも子どもの頃から多面的に環境を学べるシステム作りがなされています。例えば、毎年春になると行われる「森の幼稚園」(キャンプ)では、子どもたちが自然の中に溶け込むことで植物や動物の大切さを学ぶことができます。
環境において真の豊かさを追及するスカンジナビアは環境先進国として世界各国から注目を集めています。グリーンサンタは、将来子どもたちが笑顔で暮らしていける豊かな地球を残すため、その使命を背負いスカンジナビアからやって来るのです。

2006年11月15日

ムハマド・ユヌス「グラミン(農村)銀行」

今年、ノーベル平和賞を受賞したバングラディッシュ出身の経済学者ムハマド・ユヌス(66)さんが設立した「グラミン(農村)銀行」、これはかなり面白い。
貸出先は農村の貧しい人々に限り、家計を担う女性を対象に、土地などの担保を取るかわりに、地域住民の連帯責任を負わせるといった特徴があります。
今、本当に求められている何かが織り込まれた取組ではないか、と思うのは私だけだろうか。
さらに詳しく見たい方はall aboutのページ"

「グラミン銀行」の特徴
①借り手たちが銀行に出向くのではなく、銀行員が借り手たちのところに直接出向いて行って融資をする。
週ごと、月ごとに行員が借り手の家に行って、チェックをし続けている。借り手の経済状態がいいかどうか、借り手がローンの返済をできるかどうか、そして家族全体の利益につながっているかどうかを調べる。

②担保となる資産や土地のない人、特に女性を中心に貸し付ける。
貧しい女性たちは、最も苦しんでいる人である。女性たちは、子供たちが今よりももっといい生活ができるようにといつでも心を砕いている。ほんの小さなチャンスであっても、貧困から抜けだそうと一生懸命に働く。貧しい女性たちは、このローンの返済に失敗したら、生きていくことさえ危なくなることを知っている。ゆえに、返済率はより確実・継続的になる。

③「借りての返済能力」を土地ではなく、「仲間からの信頼」を担保にする。
借り手は、5人で1組のグループを作る。それぞれが自分の仕事に必要なお金や収益性について計画を立て、それをグループ内でチェックする。グループのメンバーは同じ村に住んでいるので、お互いの性格や仕事ぶりをよく知っている。お互いが励ましあい、アドバイスしあう構造が生まれるため、返済率は高くなる。

④技能訓練などを行わずにまず最初にクレジット(お金)を渡す。
漁や耕作など貧しい人たちは、創造的で、悲惨な環境の中でも生き残っていく術を知っている。新しい技術の習得に時間を費やすよりも、彼らにすでに備わっている技術を最大限に使うことのできる機会を与える。

⑤一般の銀行が取り扱わないような、数十ドルから数百ドル程度の、ごく小額の資金から貸し付ける。

⑥融資期間が短期で、1回の返済額を小額に設定し、翌週からの分割返済を義務づけ、返済に対する心理的障害を除くように務めている。
完済することで、自信を得て、次の融資を申し込み、事業を拡大する。
それを数回繰り返すことで、自立していく。

2006年10月11日

ザ・ウィンザーホテル洞爺スーパーアネックス(仮称)

去る10月7日(土)の日経新聞朝刊に掲載された見出し「北海道に高級分譲ホテル」という見出しに思わず目がいった方は多いと思います。
また、「バブルの再来」かという見方の一方で、「分譲ホテル」という聞きなれない言葉に新しい仕組みへの期待もあります。

このホテルは、2011年の開業を目指す「ザ・ウィンザーホテル洞爺スーパーアネックス(仮称)」で、現在、北海道洞爺町の湖畔にそびえたつ「ザ・ウィンザーホテル洞爺リゾート&スパ」の兄弟分ということになります。
分譲型の高級ホテルの取組は、日本で初めということですが、客室を1室約2.5億円で販売し、一部の客室を開業後にウィンザーが借り上げ、通常のホテルとして運用する仕組みだそうです。

考えられるのは、一定の稼働率や周辺サービス業績が期待できるホテル事業を、分譲事業として展開することで先行して収益を確保し、純粋ホテル事業の不安定さのリスクを排除すること。

それから借り上げ客室を対象にしたホテル事業の展開により持続的な収益構造と、家主への配当(家賃?)を両立して確立しようという意図ではないかと思います。
(違ったら教えてください。弱輩なもので・・・)

いずれにしても、外国資本(リーマン・ブラザーズ証券グループなど)の参入、ホテル事業の最先端(ザ・リーディング・ホテルズ・オブ・ザ・ワールド米コーネル大学など)のノウハウの北海道への進出により、全国に先駆けたチャレンジがなされると言うことで、住宅であり、ホテルでもある、そのいいところ取りをした不動産の行方は非常に興味のあるところだと思います。

ちなみに、このホテル、全室海外の有名デザイナーがデザインするスイートタイプ、高級家具付きの広さ170㎡、24時間のルームサービス、最新の医療施設完備、三ツ星レストランの誘致などなど、典型的なバブルモデルであることは間違いありません。
2007年2月海外で先行販売予定。
2008年秋に国内で販売予定。

2006年09月09日

「ひまわりシステム」のまちづくり(鳥取県智頭町)

中山間地域、いわゆる田舎の高齢化がとても問題になってきています。
そこで重要になるのは、孤立したり引きこもる高齢者や集落を出さないことであり、そのためには「人」のつながりと「情報」のつながりが両立されなければなりません。
鳥取県智頭町の「ひまわりシステム」は、その代表例ともいえる取組だと思います。

鳥取県智頭町は、「杉」の産地として栄えた歴史ある中山間の町です。現在は約1万人の人口ですが、過疎や高齢化を闘いながら、住民の手で町をおこす生き残りをかけた運動を20年以上にわたり展開しています。
その中心にあるのは、郵便屋さん。
この別名を「ゆうふくシステム」(郵便+福祉)とも言うそうです。
郵便屋さんは、町役場、病院、農協の協力を得て、交通手段を持たない一人暮らしの高齢者のために日常品や薬の受取りを代行しますが、その方法はとてもユニークで微笑ましいものです。
お年寄りが町の中心にある病院で取ってきて欲しい薬があるときや、役場への書類の提出などがある場合、郵便受けに「黄色の旗」を立てます。
毎日やってくる郵便屋さんは、その旗がのぼるお宅に立ち寄り、御用を確認し、例えば、託された薬の注文書であれば、役場の福祉課に届け、福祉課は病院に連絡し、病院は薬を準備し、その薬を郵便屋さんが受け取り、再びお年寄りに薬を届ける、そんなとても人間的でありながら田舎ならではの合理的な方法で“愛のリレー”を展開します。

ひまわりシステム
※図は「財団法人ニューメディア開発協会」HP
そして、現在、この取組の拡大を支えているのが、中山間地域のハンデキャップを克服する手軽で導入しやすいコンパクトな情報システムなのだそうです。
分散した集落を一般公衆回線で結び、実効的な距離を短縮して地域の生活空間を拡大するもので、町役場や集落、福祉機関、公共機関(病院、小学校)、商店の各関係者の利用のもと、それぞれから地域への情報発信が行われています。

利用する側も、電話かFAXのような手軽さで文書や地図データを交換でき、手書きの申込書をCCDカメラで撮って送れる機能や、防災・環境など地域の状況を把握する現場画像の機能、高齢者への声かけを促進するヘルパーなどの訪問予定の機能も使えるということで、注目されます。
(1)情報の発信・受信と注文予約の支援機能
(2)行政サービスの支援機能
(3)商店サービスの支援機能
(4)高齢者への声かけ支援機能
(5)地域の防災支援機能
(6)地図機能
(7)ユーザの管理機能
(8)地域情報ネットワークの構築が容易

現在の社会風潮では、高齢者が取り残されたような田舎は、非常に無機的に切り捨ての方向に向かっています。しかし、どんなところでも、「住めば都」。先人や今住む人たちの思い出がたくさん詰まった大事な場所です。
智頭町の取り組みは、そういう逆境にある町を、限られた資源や閉じられた地域の内部活性力により再生させている大変稀有な例だと思います。
田舎暮らし志向の方々には、1つの重要な判断材料になるかもしれませんね。

いまさらながらではありますが、この智頭町の取組は、「ひまわりシステムのまちづくり」(はる書房・1997年)で紹介されています。

2006年09月06日

心の伊達市民~情報交流人口大募集!

日本の国土づくりのビジョンを示す国土形成計画、次期計画を審議する国土審議会の中に「ライフスタイル・生活専門委員会」というのがあり、興味深い検討を行っています。
特に、妙な新鮮さを放っているのが、これからの人口のとらえかたです。
人口の観点からは、「定住人口」が減少する中で、インターネット住民等の「情報交流人口」、観光旅行者等の「交流人口」、都市住民が農山漁村等にも生活拠点を持ち、二地域で住民となる「二地域居住人口」といった様々な人口に注目が集まっています。
「情報交流人口」、「交流人口」、「二地域居住人口」は、生まれた場所であるとか、働く場所であるとかいう制約がなく、自らの価値観により選択することができるという点で、人口が生み出す見かけ上の潜在的な活力に可能性を見出すということなのでしょう。
ところで、みなさんは、この人口の規模をご存知でしょうか?
私もはじめて知りました。
定住人口 約1.3億人
交流人口 約1.5億人
二地域居住人口 約100万人
情報交流人口 約35万人

情報交流人口35万人。国土形成計画策定を担う国土交通省国土計画局では、この情報交流による登録人口規模を把握するのに、全国の都道府県及び市区町村を対象にアンケート調査(2006年6月記者発表)を実施しています。
登録を行う目的については、様々なようです(交流促進(365自治体)、二地域居住促進(23自治体)、定住促進(56自治体)、その他(121自治体))が、その個別の内容が注目です。

地域の知恵をひねり、地域間のお客様獲得競争がかなり露骨に行われています。
内容的な良し悪しはそれぞれの判断に任せるとして、まだまだ開拓余地のあるインターネットなどの情報ツールを活用した“飛び地のコミュニティ”づくりは、地域外の人たちに夢と希望をもたらすばかりでなく、文化、観光、物産、移住など様々な分野での地域活性化やビジネス需要の1つの“苗床” になりそうです。

ユニークな情報交流人口と思われる例をいくつかご紹介します。

心の伊達市民(北海道伊達市)
伊達市以外に在住の人を対象。年会費にあたる「市民税」は年額1口千円(何口でも可能)を支払うと会員となり、会員には税額に応じた特産品が年1回贈られるほか、年4回の広報誌などが郵送される。
伊達市は雪が少なく比較的温暖な気候が受けて北海道内でも人気の移住先となっていますが、この取り組みを通じて、移住予備軍を集めたいという意図もあるようです。
平成18年3月末時点での登録者は235人と約2ヶ月での実績はなかなかの滑り出しです。

山梨グローバルネットワークづくり事業(山梨県)
2005年11月から開始し、海外居住者106人 国内居住者 50人 合計 156人(登録者数 2006年1月1日現在)に対し、6か国語ホームページにより、祭事・イベント情報、名所・特産品情報、交流・宿泊施設情報など県の情報を世界に向けて発信するとともに、県にゆかりのある外国人、特に、今までに留学や研修等により山梨滞在経験のある外国人に対し、ホームページを通じて海外人材データベースに登録してもらい、国際交流の進展に役立てています。

平成大野屋事業(福井県大野市)
第3セクターの(株)平成大野屋が1996年に始めた取組で、登録者は81人、全国の“大野”姓を持つ“大野さん”に対し、大野市のまちづくりに対する協力を呼びかけ、賛同した人を「平成大野屋」の「支店主」として登録し、情報紙「平成大野屋かわら版」を発行・送付している。「支店主」である“大野さん”は、全国で大野市の文化や情報を多くの方に広報する役割を担い、また、まつりなどの運営協力や支店主の地元の情報提供をしながら、様々な形で大野市と交流を深めている。なお、「支店主」がイベント協力で大野市を来訪する際には、宿泊旅費の一部を補助しています。

2006年09月03日

北海道の田舎を支える移動販売車

移動する車というのは、様々な意味を持ち、なかなか将来を感じさせる存在です。
買い物に不便で、高齢者が多い過疎や中山間の田舎では、生活に欠かせない“仮設の店舗”であり、祭りやイベントの際に現れる移動カフェなどは、風のような感動を与えてくれます。また、北海道にはありませんが、移動理美容車や、移動CTスキャントレーラー、モードを売る軽トラ、太陽電池搭載トラック、移動スモークカーなど、様々な生活シーンが車となって移動しているようです。
特に北海道のような広大で、人口が低密で、購買ニーズが分散する地域には、今後本格導入が必要となる飛び道具になると思われます。

カントリーキッチン四季菜
旬の無農薬野菜と季節の果物、平飼いの自然有精卵、氷温乾燥の干し魚、健康豚肉と畜産加工品、おこっぺ牛乳と乳製品、無添加調味料や各種油製品、道産大豆の豆腐と納豆、無添加練り物と天然魚貝、お手軽無添加お惣菜、無添加のお菓子と天然酵母パンなど、高齢者には欠かせない生鮮・最寄品の移動販売者。
運行エリアは、旭川から美深までの、国道40号線沿線です。
四季彩カー
※写真はホームページより

オホーツク海陸食品(株)「ひとめぼれ号」
知る人ぞ知る、ホタテの地まき栽培の本家・猿払村の海鮮取り扱いの食品会社。海鮮の品質は、北海道民に定評があります。このオホーツク海陸食品では、買い物に出れない、交通手段の関係で買い物に不便している地元の方々に、御用聞き型の移動販売を行っています。

カフェ・キアロ 
小樽発のお洒落でこだわりのカフェ。私がとても気に入っているのは、移動式カフェ。
イベントがあるとたまにこの車を見かけますが、とてもわくわくさせてくれます。

どこでもラーメン
札幌圏の在住者であれば、誰もが耳にしたことがあるドップラー効果のチャルメラとともに街を駆け抜ける移動ラーメン屋さん。一度は食べてみたい。

釜焼き工房「ひまわり屋」
必ず行列のできるうわさのメロンパン屋。全国でめちゃめちゃ話題の焼立てメロンパン1個130円(税込み)です。
メロンパンひまわり
※写真はホームページより

ほかにも、移動図書館、移動貸出しキッチンカーなど、まだまだあります。

2006年08月13日

鉄路・道路両用の世界初の車両が試験運行(JR北海道)

JR北海道は、線路と道路を走行する新型車両「デュアル・モード・ビークル(DMV)」を来年4月から試験的に営業運行すると発表しました。(2006年8月9日)

DMV
写真:北海道新聞

JR釧網線の浜小清水駅(網走管内小清水町)―藻琴駅(網走市)間をつなぐ線路と道路の両方を、1年間かけて走行し、2008年以降の本格運転に備えます。
※網走国定公園「小清水原生花園」やラムサール条約登録湿地「涛沸湖」を回るコースで、世界遺産・知床にも近い。
 
計画では、観光客を対象に土曜、日曜日と祝日に、涛沸湖と藻琴湖の周囲を循環。線路で11キロ、道路で21キロの計32キロ区間を45―50分かけて走行するそうです。
今回は、「試験的営業運行」と位置づけ、当面一年間は同区間の運行を続けながら安全性を確認し、過疎地のローカル路線への本格導入を目指すということ。
DMVには、過疎地路線での低コスト運行、観光路線の渋滞回避、乗り換えがなく肢体不自由者に優しい――などの長所があり、疲弊する全国の交通過疎地域からも脚光を浴びているようです。

【北海道以外で検討中の地域】
静岡県富士市(富士駅~新富士駅間及び岳南鉄道)
・DMV登場後いち早く導入の意向を示し、テスト走行を富士市内で行うことを要望している。
宮崎県高千穂町ほか(神話高千穂トロッコ鉄道)
・経営を断念した高千穂鉄道の線路にDMVを走らせ、鉄橋流出区間は一般道を通る計画を立てている。
千葉県(小湊鐵道・いすみ鉄道)
岐阜県岐阜市
兵庫県三木市(三木鉄道)
島根県大社町