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2008年09月11日

北海道酪農生産者ネットワークという組織

まだ世間には公表されていないけれど、かなり興味深い組織が生まれそうです。

酪農の世界は、常識を覆す出来事の連続です。
原油、飼料、その他資材費や運送コストの高騰は、生産費を平成18年比で約2~3割の上昇となっています。
酪農家が窮状を訴えるのももっともな状況ですね。
元凶は、牛乳の値上げに難色を示すスーパー、量販店、コンビニ各社のほか、かなりの利益をたたき出している乳業メーカーにありそうです。

明治乳業はこの酪農不況の最中に「純利益92億」という数字や明治製菓との合併をプレス発表するありさま。
いくら調達の効率化とはいえ、生産者あっての乳業ですから、もう少し配慮してもいいのではないでしょうか。

北海道酪農生産者ネットワーク、この組織は、全道各地の大規模酪農法人が結束する組織らしいです。
生産者はこれまで、牛乳の買い取り価格の交渉には直接的に声を上げられないピラミッド構造の組織下にあったようです。
生産者が制約を受けず、自分たちが知りたいことを聞き、行うべき主張を行う受け皿がなかった!というのだから不思議です。
こういう封じ込められてきたストレスはもう止まらないのでしょう。

また、北海道における生乳生産は、主力が年産1000トン以上のメガファームと言われています。その多くが農業生産法人らしいです。
ネットワークには、これらの主要法人がかなり集まるらしく、どこまで賛同の輪が広がることかというのが、多くの参加者の関心となっています。

それと、これだけの大きな乳量を背景に、予期しない人材や情報の滞留も期待され、ビジネスチャンスにつながる可能性もあります。
もしかすると、常識を覆す出来事が起こるかもしれませんね。

痛みを進んで共有していない企業・団体の皆様、あんまりのんびり保身に走っていると痛い代償を払うことになるかも知れませんよ。

2007年12月24日

値上げと根上げ

世の中には多くの矛盾があるものです。
農業や地域づくりの現場に仕事場を持つ私としては、社会システムの矛盾を伝えなければ、と思いを日に日に強くしています。

例えば、乳製品、オーストラリアの大干ばつやアメリカのバイオエタノールの推進の影響を受け、コーンや大豆の値段が高騰しています。
そのオーストラリアでは、生産費の高騰とともに、牛乳を卸す値段が倍増しているそうです。
日本でも、飼料の高騰が著しく、さらに原油高騰の煽りを受け、これまでに経験したことのない厳しい経営環境におい込まれています。

しかし、日本の場合は、今年度の乳価は据え置き。
乳業メーカーや酪農乳業に携わる人々が、値上げによる国民の牛乳離れを恐れているから、と言うのがその理由だそうです。
ほんとにそんなことが起きるのかな?

そういう消費者保護を見せかけた安売り、顧客獲得競争、やはり流通事業者やメーカー主導ですよね。あらゆるしわ寄せが瀕死の状態の生産者に課されます。

このような状況は、牛乳に限りません。米、小麦、大豆、・・・いわゆる政府の介入により補助金で制御されている生産調整物は、こういった国際社会の変化に対応できないほど遅れた仕組みになっています。

アメリカでは何故、穀物価格が高騰するのか?何故日本の農家はジリ貧なのか?
環境の時代を盾に人間や家畜のための穀物をエネルギーに転換するということと、中国の経済成長との関係は?
安売り競争に興じる大流通の仕組みと、そのしわ寄せを一手に引き受ける農業とは?

何かがおかしいですよね。

農業王国・北海道は、どうやって賢く資金を残していくか?

かなり乱暴な話ではありますが、日本の中での近い将来の食糧争奪戦に勝てる北海道のあり方を考えると、産地の組織化と独占販売権、これを求める外資や本州資本の北海道の産地争奪を巡る見えない戦争を制する必要があります。

ドールが、苫小牧東部にブロッコリーの畑200haを確保しています。しかもそこにドールの名前が出てこない!
都市で言う「再開発」の農地版の姿がこれでしょう。
農地経営権をいかに守れるか、これが当面の課題です。

こういう戦いをやれる組織が北海道にあるのでしょうか?本来はJAやホクレンでしょうね。それと北海道庁。

北海道に関心のある皆さんには、いろいろな状況をちょっとだけ理解して欲しいです。
まずは、安売り店を賛美しないことから始めましょう!

値引きセールなどを実施している主なスーパー(日経新聞12月21日)
イオン
イトーヨーカ堂
ダイエー
西友
大丸ピーコック
アークス
オークワ
ハローズ

ほんのわずかの商品の値上げと、北海道農業者の間近な根上げ・廃業、食糧の不足が確実な今、どちらが大切なのか、是非お考え頂きたいものです。

2007年11月20日

食糧戦争勃発!北海道は独自の自給政策へ

本日のNHKスペシャルのタイトルは「ファンドマネーが食を操る」。
この番組では、アメリカでのバイオエタノールマネーの渦中にあるトウモロコシの話題。

広大なアメリカの穀倉地帯では、トウモロコシをめぐる熾烈な獲得合戦が展開されているという現状が浮き彫りにされていました。
そして、このような動きに火をつけているのが、バイオエタノール工場に多額の出資をしているコモディティファンドということです。

彼らの介在により、これまで比較的安価に手に入っていた日本の輸入飼料用トウモロコシの価格が、マネーの集中により、高騰を続け、買い付けが非常に厳しい状況に追い込まれているとか。
アメリカの農家は、どんどん高値が付く価格にホクホク顔で、ファンド様様だそうです。そしてファンドも「ビューティフル」を連発。

こういう状況を見ている一般市民としての私が、どこか茶番に見えてくるアメリカのエネルギー政策、そして金儲けに邁進する社会経済にうんざり、という感じです。
トウモロコシの価格があがったことで、私達の食糧にどれほどの影響が出ているのか知っているのでしょうか?輸入コーンを多給するように仕上げられた乳牛がどれだけ追い込まれているのかご存知なんでしょうか?

こういう状況に直面していても、無策な国の農政というのには疑問を抱かざるをえませんね。
優良な穀倉地帯であり、自給率200%を誇る北海道こそ、こういう傲慢かつ無策な社会に対して、何らかのメッセージの発動をするべきでしょう。

世界には、トウモロコシの実力(需要、価値)を冷静に見極めさせる動機が必要です。
そして北海道は、小さくとも、人間も家畜も共存し自給できる循環型農業モデルを素早く構築し、世界に左右されない社会システムへと方向を転換すべきです。

まさに食糧戦争、北海道は負けるわけにはいきません。

2007年10月23日

発芽玄米入乳飲料「こめちち」を飲まずして!

北海道の東に位置する全国最大の酪農地帯「別海(べつかい)」。
ここに、驚くほど健康に配慮された乳飲料がある。
その名も「こめちち」!健康な方も、健康を害されている方々も115円/円で購入しましょう!

かなりまろやか。
そしてほんのり甘い。
しかし牛乳の持つ味わいもきちんと残ってる。
そして健康。

この飲料を造っているのは株式会社べつかい乳業興社という第3セクターです。
いまは、食品偽装や表示偽装など、いろいろ怪しい食品がおおいなか、原料乳は地元の育成牧場産を使用する正真正銘の乳製品を生産している優良企業です。

まあ、今日はくどくど言いません。
一度ホームページにアクセスして、ご購入を!

商品名 : べつかいのこめちち屋さん
原材料 : 生乳(50%以上)、玄米(発芽玄米ペースト)、オリゴ糖、人参汁、脱脂粉乳、乳化剤
190g15本入りで1,732円(送料別途)
玄米が発芽するときに蓄えていた栄養分を活性化した発芽玄米とにんじんをペースト状にし、オリゴ糖と良質な生乳をミックスした健康飲料です。平成6年度優良ふるさと食品中央コンクール国産原料利用部門で農水省表彰を受けた逸品です。

べつかいのこめちち屋さん

2007年08月08日

歩く野菜「地鶏」が面白い

皆さん、「地鶏」がJAS規格(日本農林規格)であることをご存知ですか?
地鶏と言えば名古屋コウチン、比内地鶏などがあまりにも有名ですね。

北海道でも中札内とりや知床鶏、伊達鶏などのブランドがやや浸透していますが、厳密には地鶏ではないようです。
北海道唯一の公式地鶏は「北海地鶏Ⅱ」(シャモ、ロードアイランドレッドの雌鶏と名古屋種の雄の3元交配)です。
北海道立畜産試験場(新得町)が開発を進め、飼育日齢の短縮、飼料要求率の抑制、成体重が約2.8kgまで改良されました。

面白いのは、農家のハウスでの飼育を普及できること。
地鶏は約100日で肉用としての出荷が最適となるため、野菜を育てるのと変わりません。
地力の回復には、作物を植え続けるのではなく、土を休ませることが必要です。
この休耕地となるハウスに地鶏を飼うと、初期投資の抑制、鶏肉の収入、地力回復の一石三鳥を実現できるというわけです。ハウス1棟当たりの収益も若干ながら上がるそうで、相場に影響されやすい野菜とはことなり、安定した収入が期待できるそうです。
農家にとって、地鶏は「歩く野菜」として期待がもてます。

また、北海道のように過疎に泣く田舎では、ケージ外のブロイラーではなく、放し飼いの地鶏少数を丹精込めて飼育するモデルを作ることで、地域の高齢者が生き生きと働く場が確保されます。
とても地味かもしれませんが、私は地鶏は地域再生の秘かな切り札として期待しています。

参考的なデータですが、地鶏は食鶏全体の約1%足らず。kgあたり3千円~5千円と高価ではありますが、明らかな味の濃さ、歯ごたえが魅力となって需要に火がつきつつあります。

鳥インフルエンザは大丈夫か?ケージでの密集飼育でストレスがたまり免疫力の落ちた鳥に感染しやすく、平飼いで適度な運動をしている鳥には強い抗体ができるそうです。
また、100日サイクルでの飼育は、継続による病気の発生を防ぎ、冷涼な北海道という地域性も抑制側に働くそうです。

広大な北海道だからできる平飼い放牧の価値、是非成功させたいですよね。
特に、夕張のような厳しい地域での希望の星にできればと思います。

平成18年10月現在の(独)家畜改良センター兵庫牧場による地鶏・銘柄鶏調査をみれば、全国の地鶏が一目瞭然です。ご参考まで。
地鶏・銘柄鶏調査

明治時代までに国内で成立し、又は導入され定着した鶏の品種
会津地鶏、伊勢地鶏、岩手地鶏、インギー鶏、烏骨鶏、鶉矮鶏、ウタイチャーン、エーコク、横斑プリマスロック、沖縄髯地鶏、尾長鶏、河内奴鶏、雁鶏、岐阜地鶏、熊本種、久連子鶏、黒柏鶏、コーチン、声良鶏、薩摩鶏、佐渡髯地鶏、地頭鶏、芝鶏、軍鶏、小国鶏、矮鶏、東天紅鶏、蜀鶏、土佐九斤、土佐地鶏、対馬地鶏、名古屋種、比内鶏、三河種、蓑曳矮鶏、蓑曳鶏、宮地鶏、ロードアイランドレッド

2007年08月06日

田舎の強さが足りない!

食や農業の価値が見直され、田舎での体験観光や移住、田園景観など、北海道の田舎への羨望の眼差しは強まるばかり。
その羨望の眼差しを描く人たちは、自分達が食するものへの関心や、子どもの教育的観点、脱サラ農業転身、団塊世代の理想郷、観光の振興などを目的とする人々。
この人たちの大半は、都市の極度の都市化や疲弊、いびつさからか、そういった世界と切り離した世界を持ちたいと願う都市住民のとてもわがままな願いです。
それゆえ、「これからの北海道は農業だよね。」と誰もが口にします。こういう言われ方をする産業も珍しいでしょう。

確かに、人間の根源なる食糧を生産するという意味での農業は、絶対的価値を持ちます。
しかし、この期待の矛先の地域のことを考えたり、彼らの思いを聞いたり、その身になって田舎の力の発揮の仕方を継続的に考える人がどれだけいるか、というとちょっと疑問です。そういう職業・人材はかつて見たことがありません。

農業に従事する人は、自分の農作物の作付や育成に大半の精力をつぎ込んでいて、余裕などないでしょう。
地域の農協や行政は、農村でのぎりぎりの暮らしを安定させるための対策や、せいぜい観光PRくらいでしょうか。(本来はこの人たちのやるべきことなんでしょうけど。)
田舎に出入りする業者さんは、資材メーカー、米や野菜を取り扱いたいバイヤー、会計士・・・。
期待の農業研修生は・・・・、農業の現実に逃げ出す人が多いですね。
田舎の力は今以上になりますか?
外部からの期待ばかりが膨らみますが、かたや農業者はというと「ほっておいてくれ」と、これが本音だったんです。

都市と農村、まだまだ距離がありますね。

こういうすれ違いは、非常にもったいないですよね。地域サービスへの需要は確実にあるが供給が全く追いつかない状態。
一番の問題は、田舎に流れるお金(キャッシュフロー)が圧倒的に少ないことです。田舎は買わされることと働かせられることが収入を大きく上回っており、再生産がやっとの自転車操業。農家では死ぬ間際に債務を農地でチャラにするというような状態ですから。
今、あの手この手で手を打っていかないと、現在現役で農業に従事している60歳前後の農業者の引退とともに破綻します。悪い流れを変えることができなくなります。
今後3年間が、北海道の田舎の将来を決める限界点であるのは間違いないでしょう。

これからやらなければならないことは、いかに農村に流れるお金を増やせるか、それも主たる担い手である農業者の理解と応援・を受けて意欲的取組み(ここがとても大事なところ)でなければなりません。

第1に、農業者自身の営みの中に、価値を生み出す資源はないのだろうか?
大樹町の酪農家がBSEを契機に肉骨粉の高熱処理プラントを開発したそうです。
こういう農家の知的財産はだれも調べたことがないようです。

第2に、農家個々が行っている多様なサービスの連携の可能性は?
大分県安心院町に始まったグリーンツーリズムは、10年を経て北海道に伝わりつつあります。
野菜を売りに行くのは、どう考えてもお金が合わない。これからは来てもらう時代。そして地域客単価をどれだけ上げられるか、ここが勝負です。おれが、おれがの時代は終わっています。
長沼の果樹園で聞いた話では、りんご一箱500円の小売値が、瓶詰めジュースにすると1500円、さらにジュースやアップルパイとしてレストランで出すと20000円だそうです。

第3に、農業と異分野産業とのコラボレーション
北海道農業=健康、環境、安全・安心の代名詞になりつつあります。
このイメージを使った、食や健康のライフスタイルサービス。農家の野菜を入り口に、ゆりかごから墓場まで、様々な産業とコラボレーションできるのではないでしょうか。
野菜は売っても野菜以上の収入にはなりませんが、野菜・健康サービス付き(3年特約)マンションの付加価値が100万円や200万円上がってもたいして問題ないでしょう。現在は年間5万円で年間野菜オーナーなわけですから。

まだまだあるはずなんですけど、頭と体が回りません・・・。

2007年07月22日

「NPO農家の直販倶楽部」構想

北海道はじめ、地方で展開される「地域性の強い事業」には確からしい法則がある。
極端な言い方をすれば、
 ①一時に突出する(ブーム)を巻き起こすか
 ②長い時間をかけて少しずつ利幅を稼ぐ(老舗・定番)となるか
 ③付加価値を高めて少数ではあるが比較的富裕な固定客をつかむか
極端に言えばこのいずれかだろう。
いずれの場合も中期的な「儲け」の量に大きな差はない。
世の中は本当にうまくできている。

大きく異なるのは長期的な持続性だ。①の場合は、そう長持ちしない。②は地味だが持続する。しかし苦しい時間に耐え続けることが必要だ。③はやりようによっては顧客に絶大な支持を受け、手堅く、長い期間持続する。

また、②もしくは③に該当する「持続的成長」を追及する賢い事業者は、地域や消費者と手を組む。利益以上に地域や消費者からの支持基盤に注力を注ぐ。
地域や特定のお客様に支持されるということは、より身近に顔の見える信頼関係が構築され、事業の安定に直結するのだ。

人口が減り、高齢化が進み、国内外から地方への圧力により不安定になり、ますます厳しさを増す産業・経済下での地方が生きる道は、間違いなく②、③の発想だろう。

北海道農業は、今まさに、このことに気付きつつある。

勝ち残るために熾烈な価格競争のなか、背伸びをし大量流通に傾倒すると、作業に忙殺され、自分の作った作物への値決めの権利が剥奪とされる。薄利多売だ。
体力の弱い農家は、歯を食いしばって搾取に耐えるか、偽装等の法令違反に走るか、廃業か・・・・道が狭まるばかり。
あるいは、自分で売る意志がなく、JAやホクレン任せ。自らが売る意志が限りなくゼロということは、・・・・経営者として論外だ。
いずれも、これでは先が見えない。

これからは、顧客のニーズをきめ細かにサポートする体制づくり、様々な地域の資源を連携させる戦略、すなわち「確実性を高める直接販売」、すなわち③が主流になるだろう。

この方法は、限りなく広い。
直販=宅配とかオーガニックではない。
例えば、
 ○観光農園や○○教室などで人を集める。
 ○需要あるところに移動販売車を巡回させる。
 ○企業や団地などまとまった集団と取引をする。
 ○ヨガ等のライフスタイルとコラボする
 ○地震災害等万が一の出来事の備えとして契約する
 ○集客施設への共同ブースの設置
こういう入り口を見つけ、展開方法を考えることを、農家の方々と一緒にやれる立場が必要だ。
こういう発想ができるのは、団塊の世代などの世の中への貢献を自己実現と考える高齢者が増えたこと、北海道では、みんなそこそこの稼ぎがあれば、そこから先は、豊かさを求める価値観に切り変わっていること、など、大きな転換期ゆえだ。

是非、北海道から立ち上がる世界をつくりたい。
我々若者に力を貸して欲しい。

2007年07月10日

北海道の農産品ブランド認証

食品に関わる事件が頻発する中、私達、消費者はますます混乱しますね。
一体何を信じましょうか?

混乱してしまう原因はいくつかあると思いますが、シンプルに「信頼できる人が身近にいないこと」に尽きると思います。
私は、むやみに食の安全・安心に対するナイーブさに拍車をかける高度なお墨付きや、商業的ブランド主義が地域を救うと信じる経済常識に対しては非常に疑問です。
理論的に完璧な世界などない、と言うことをきちんと理解し、信頼できる生産者を見つけられることが重要だと思います。

その鍵を握っているのは、北海道庁知事政策部が主導的に取り組む産消協働の取組み理念だと思います。この理念は大変素晴らしいです。

何を信じてよいのか分からない時代、まず立ち返るべきなのは、自分達が日々口にする食べ物の生産の現場を自分の目で確かめ、生産者の方々の人柄に触れることでしょう。

そして、農家から直接仕入れることですね。信頼の絆に立った農家、それも直接お話をしたり、子どもを連れて行った農家の方々は、きっと裏切ることなんかできませんよ。

産消協働道民宣言
消費者と生産者が一緒につくる北海道

(前文)
 かつて、私たちの身近にはさまざまな仕事場があり、私たちはそこでひたむきに働く姿を目にして育ちました。
 働く人達も地域の人達の期待を励みに向上心をもって仕事に向かい、お互いに育み、高め合っていました。
 高度成長という時代に、家族の幸せや社会の発展を願い、人々は懸命に働き、安い物を大量につくりだし、便利な生活を送れるようになりました。
 そして今では、世界を舞台として、私たちの意識をはるかに超えたところで、お金やものがやりとりされるようになってきています。
 
 そんな時代を経て、私たちが暮らす北海道に脈々と流れていた暮らし、文化、産業の密接な関係が、薄れてきています。
 これは、つくる人と買う人・使う人との視線が別の方向を向き、お互いの信頼や期待を確認できる機会が少なくなってきたためではないでしょうか。
 今、私たちが本当に大切にしなければならないものは何でしょう。
 北海道の豊かな恵みを活かして、暮らし、文化、産業の新たな関係を築き上げることです。
 ものやサービスをつくり出す人と、買う人・使う人とが向きあい協働し、郷土に支えられた新しい信頼の絆で夢を開拓していきましょう。

一 真っ先に選びたい、道産のもの・サービス
 地道に良いものをつくり続ける顔の見える作り手に信頼と協力で応えます  (消費)

一 愛そう、活かそう大地の恵み 
 しなやかで強い北海道の資源を活かしたもの・サービスづくりに、知恵や人材、技術を結集します  (生産)
 
一 一緒につくろう、道産の輪 
 自らの仕事の領域にとらわれず、共に創り上げる行動を大切にします  (連携)

一 触れ合って、知って、感じて、次世代へ 
 学びや育みの機会を充実し、次代を担う自立した人材を育てます  (学び、育み)
一 挑戦しよう、私たちの地域社会づくり 
 顔の見える関係のもと、自らの力を高め合い、持続可能な地域社会づくりに挑戦します (自前主義)

北  海  道
産消協働推進道民会議


北海道の農産品認証制度

北のクリーン農産物表示制度(北海道)

道産食品独自認証制度「きらりっぷ」(北海道)

道産食品登録制度(北海道)

北のブランド(札幌商工会議所)

十勝ブランド認証制度(財団法人十勝圏振興機構)

オホーツクブランド認証制度(財団法人オホーツク地域振興機構)

さっぽろとれたてっこ認証制度(札幌市)

2007年07月05日

アグリステーションようてい

後志管内倶知安町に並外れたスケールの農家直営の蕎麦処があります。
アオキアグリ概観
アグリステーションようてい、窓越しに見る池と羊蹄山のコントラストは絶景です。
雑誌などでも紹介され、秘かな人気となっています。
アオキアグリ羊蹄山
この蕎麦処農家のそばや羊蹄山は、農家が自ら生産する牡丹そばが売り。
生産した蕎麦は、全国の有名そば店に卸され、その名店が雑誌に紹介されるたびに羊蹄のそばの評価はうなぎのぼりに。
店主でありそば生産者でもある青木さんの夢はこれからも大きく広がっています。
美味しい蕎麦を日本一とも言える絶景で味わう、この営みが全国からのお客さんと全国の名店の信用を勝ち取っているのでしょう。
アオキアグリ芋花
まさに、スーパー農家!素晴らしい!!
この日いただいた「おろし蕎麦」は、からみ大根の程よい辛さとこしのある蕎麦が絶妙でした!
お土産に乾麺を3束とオリジナルのタレを買って、我が家でも楽しみます。
まずはご購入してみなはれ。
アグリステーションようていの通販サイト

全国の北海道通の方にお奨めの名店ですよ。
アオキアグリ畑
農家のそばや羊蹄山
・営業時間 11時~15時30分(冬期間平日は14時30分迄)
 オーダーストップ(麺が無くなり次第閉店)
・定休日 毎週水曜日
・北海道虻田郡倶知安町字富士見463の5番地
・TEL:0136-21-2308
・FAX:0136-21-2338

2007年06月30日

必見!北海道のチーズ工房特集(後半)

全国の直接消費用チーズの約90%を占める北海道、最近工房が増加しており、より品質にこだわったチーズづくりが目指されています。
本日は後半、十勝、釧路、根室管内を紹介します。

十勝管内
十勝のナチュラルチーズ
雪印乳業(株) 大樹工場
明治乳業(株) 十勝工場
よつ葉乳業(株) 十勝主管工場
(株)あしょろ農産公社
にしかわ牧場
(有)半田ファーム (放牧酪農)
ゼンキュウファーム (放牧酪農)
(有)NEEDS 槲館
(有)ハッピネスフロマージュ
農事組合法人 共働学舎新得農場 (放牧酪農)
チーズ工房 (有)十勝野フロマージュ
(有)MCコーポレーション 鹿追チーズ工房
士幌町食品加工研修センター(北海道士幌高等学校)
(有)ランラン・ファーム 十勝千年の森
花畑牧場

釧路管内
大友チーズ工房
厚岸チーズ工房なんくる
(有)丹羽牧場 あっかんべぇー
横井チーズ工房
チーズ工房 白糠酪恵舎

根室管内
雪印乳業(株) 中標津工場
森永乳業(株) 別海工場
(株)べつかい乳業興社 別海町酪農工場
中標津町畜産食品 加工研修センター
(有)ラ・レトリなかしべつ
三友牧場チーズ工房
フロマジュリー酪舎 小野寺牧場(放牧酪農)

2007年06月14日

「ありがとう農場ガーデン!稔り(みのり)の森応援ファンド」(仮称)

今、農場ガーデンづくりがにわかにヒートアップしつつあります。
今回は、匿名ながら、実際の農場視察にもとづく感想や考えをメモしておきたいと思います。

農場は、その醸しだす“たたずまい”に、農場主の信念、経営の姿、ものづくりへのこだわりが現れます。
地域内外のお客様とのコミュニケーションを重視する農場主は、農業としての営みとともに自らが目指す農場作りに向け、草花や果樹、樹木、木製品、地形を駆使した景観・環境のデザインを様々な応援者の力を受け、日々生き生きと模索しています。
当然、知恵と体力、費用についても負担は大きいですが、信念を形にすることへの夢や楽しみがそれを上回っているという状況でしょう。

旭川のT農場、ここはトマトのもぎ取りやトマトジュースで有名な農場です。T社長の“たたずまい”づくりへの思いは大変力強いものがあります。
また、同じ地域で農業を営む仲間の農場主のお一人、U農場のU社長も相当なこだわりがります。U農場の場合は、奥さんや娘さんが実践する英国式のオープンガーデンづくりがその屋台骨になっています。有名なガーデン雑誌にも紹介されているということです。
いずれの農場も、一言、美しい。癒されるのです。
農場主やその家族の個性が、環境デザインとして集大成されつつあるという強い印象を持ちます。

しかし、一方で課題も多いようです。
U農場の場合、美しいオープンガーデンづくりは、手間ひまをかけて、それに惹かれる多くの人々が地域内外からリピーターとして訪れる反面、なかなかお金が落ちる仕組みが整えられないということです。

私が素晴らしいと思うのは、農場の本丸ともいえる農場主の住宅やショップ、関連施設周り、オープンスペースを含めたちょっとした農場ガーデンの環境づくりです。
農場ガーデンは、農場主の信念の結晶であり、地域の生産や交流のアイデンティティ、子どもから大人までの生きた食農教育や木育の現場、そして地域内外の住民にとって記憶に残る風景・たたずまいでもあります。
実は多くの要素が凝縮された多面性な存在なのです。

これを、単純に農場主の負担にしてしまうのはあまりにももったいない!
将来的にも、是非、持続を応援していきたいですよね。
そこで、農場主と私たち市民との共生関係のヒントを積極的に見出したいと思います。
農場ガーデン1 農場ガーデン2
持続的に地域に素晴らしい環境が担保されるためには、農場主が日々努力されている取組みに対し、私達市民の応援の気持ちを何か形にするということです。
北海道には、皆さんもご存知の知床での一坪トラスト運動、帯広の森への市民参加、函館の町並み保全ファンドなど先行する功績がります。
規模や質は異なりますが、これらと比較しても、点で存在する旭川地域を含む全道の農場ガーデンづくりに対するトラスト運動を市民レベルで組織化していくことに、大きな意義を感じます。そのひとつの方法としてファンドの設立が考えられます。

「ありがとう農場ガーデン!稔り(みのり)の森応援ファンド」(仮称)
農場にお世話になっている多くの方々を中心に、北海道農業者の思いのこもった質の高い環境デザインからもたらされる長期的な恩恵に対し、対価を支払う、もしくは環境づくりの再生産に必要な資金を提供する、こういう趣旨でのお手伝いができないでしょうか。
恐らく、北海道で農業を営む約60,000の農家のなかでも、高い意識を持ってガーデンづくりを行っている所はさほどないと思います。
そういう農場ガーデンを、いくつかピックアップし、資金提供を促す仕組みです。資金提供者は農場ガーデンづくりの出資者として、資金提供額の半額相当の農産物を郵送さえる。これを1年毎に更新していく。いわゆる「景観・環境トラスト」と「生産物直販会員制度」を融合した取組みです。
集まった資金は、ファンド事務局から各農場ガーデンに分配され、その成果がホームページなどで紹介されるわけです。当然、農場指定も可能にします。
また、各農場にも、「ありがとう!稔りの森・農場ガーデン」応援募金箱をファンド事務局が設置し、その収入額はすべてその農場で活用いただけるということもやってみたいと思います。

このような、仕組みの組み立てを行い、運用を進めていく先には何が見えるでしょうか。
農業主と市民との学びの連鎖や異業種と農業主との関係が生まれ、美しい農業景観・環境づくりがにじみ出てくるような美しい社会・風土のはずです。

そんな夢をいだきつつ、皆が無理をしない範囲で実践に移すための準備を進めてみたいと思います。

2007年06月10日

必見!北海道のチーズ工房特集(前半)

美味しい極上のチーズは、まず現場から。
本州から来る方も、是非、パックツアーを抜け出して、チーズ工房を訪ねてみるべし!!
今後の持続的な環境農業への回帰を図りつつある放牧酪農の生乳を使用したチーズがお奨めです。

石狩管内
(株)北海道酪農公社
新札幌乳業(株)
みるくのアトリエ 寺田牧場
(有)北海道箱根牧場
(有) 酪農学園大学 乳製品製造学実習室

渡島管内
北海道乳業(株)
(株)函館酪農公社
久保田牧場 チーズ研究所
(株)駒ケ岳牛乳
八雲チーズ工房
チーズ工房小栗(放牧酪農)
八雲ハンドメイドの会

桧山管内
近藤チーズ牧場

後志管内
ニセコチーズ工房
ニセコフロマージュ
ノルマンディーチーズ (株)クレイル
黒松内町特産品 手づくり加工センター[トワ・ヴェール]

空知管内
横市フロマージュ舎
(株)長沼あいす酪乳品工房
(株)クレストジャパン

上川管内
(株)ふらの農産公社 富良野チーズ工房
クリーマリー農夢(放牧酪農)
押田牧場 食彩工房美花夢
フロマジェリしもかわ(放牧酪農)
(有)松山農場 シープミルクプラント

宗谷管内
あぐりネット宗谷(有) 工房レティエ
ゆう子のチーズ小屋
高橋牧場チーズ工房

胆振管内
(有)プロセスグループ 夢民舎
(有)チーズ工房角谷
(有)牧家
(有)レークヒル牧場

日高管内
北海道日高乳業(株)

網走管内
ひがしもこと乳酪館
チーズ工房アドナイ (有)アドナイ
冨田ファーム チーズ工房
工房シーサックル(放牧酪農)
ノースプレインファーム(株)(放牧酪農)

2007年05月27日

農地賃貸借の規制緩和情報(農林水産省)

企業の一般農地借り入れ緩和を検討
農水省は、2008年度にも民間企業に一般農地の借り入れによる農業参入の解禁をする見込み。
各国との経済連携協定(EPA)交渉などによる一段の貿易自由化に対し、企業の参入により農業生産性を高めるのが狙い。
農地政策に関する有識者会議で議論し、秋までに具体策をまとめ、来年の通常国会で関連法案を提出予定。
現在は農家の高齢化などで遊休地となった農地や耕作放棄地の可能性がある農地しか借りられない。
2007年3月末現在で206の参入企業を、2011年3月末までに500社を目指す予定。

参入手続きが緩和を検討
併せて、企業の参入手続きの簡素化を図る。
現在は、市町村との協定などを結んだ上で地主との賃貸契約を結ぶことができるが、今後は、企業と地主が直接、賃貸借を結ぶことができることを目指す。

農地賃貸借の規制緩和情報(農林水産省)

企業の一般農地借り入れ緩和を検討
農水省は、2008年度にも民間企業に一般農地の借り入れによる農業参入の解禁をする見込み。
各国との経済連携協定(EPA)交渉などによる一段の貿易自由化に対し、企業の参入により農業生産性を高めるのが狙い。
農地政策に関する有識者会議で議論し、秋までに具体策をまとめ、来年の通常国会で関連法案を提出予定。
現在は農家の高齢化などで遊休地となった農地や耕作放棄地の可能性がある農地しか借りられない。
2007年3月末現在で206の参入企業を、2011年3月末までに500社を目指す予定。

参入手続きが緩和を検討
併せて、企業の参入手続きの簡素化を図る。
現在は、市町村との協定などを結んだ上で地主との賃貸契約を結ぶことができるが、今後は、企業と地主が直接、賃貸借を結ぶことができることを目指す。

2007年05月04日

世界的に悪化する食糧事情

毎日新聞の記事からのメモです。

自給率200%の北海道はの生命資源をどのように守っていくか、どのように北海道の持続可能性に路を拓いていくか、このような潤沢な地域は他に類を見ないということを認識して、世界的視野から議論を本格化させる時が来ています。

以下、毎日新聞からの抜粋

世界の食料事情が大きく悪化するのではないかとの懸念が広がっている。中国などの経済成長や発展途上国の人口増で食料需要がどんどん増えているうえ、環境問題や資源枯渇への懸念を背景に穀物をバイオ燃料に振り向ける動きが強まっているためだ。地球温暖化が食料生産に与える影響も心配で、食料自給率が低い日本は将来に向け安定供給のための戦略を迫られている。【位川一郎、ワシントン木村旬】

■相次ぐ値上げ
 先月、果汁飲料の値上げ発表が相次いだ。明治乳業が100%果汁「ミニッツメイド」(1リットル)の希望小売価格を21円引き上げたほか、日本ミルクコミュニティ、キリン・トロピカーナなども値上げを決めた。オレンジの産地・米フロリダ州がハリケーン被害に遭ったり、ブラジルでバイオエタノール用サトウキビを生産するためオレンジ畑が次々につぶされたりしているためだ。
 製粉各社は近く小麦粉価格を24年ぶりに引き上げる。昨年の豪州の干ばつなどで小麦の政府売り渡し価格が平均1.3%上がったためで、うどん、パンなども値上がりしそうだ。
 世界の穀物取引の中心、米シカゴ商品取引所では昨年後半からトウモロコシ、小麦、大豆の価格が急騰している。水産物も、マグロの漁獲制限をはじめとした資源の制約と、中国、欧州など世界的な魚食の拡大で値上がり傾向にある。

■成長と人口増が背景
 世界の食料需要を押し上げているとみられるのが経済成長が続く中国だ。所得水準の向上で中国の肉類、油脂類、魚介類の1人当たり消費量は90~03年の間にほぼ倍増した。一方、穀物生産は伸び悩み、中国は04年に農産物の純輸入国に転じた。食料の大半はまだ自給を維持しているが、大豆の輸入は年約3000万トンで世界一。「農村部の食生活が都市部に近づくと食料消費はさらに増える」との予想が多い。また、インドをはじめ発展途上国の人口増も今後、世界の食料需給に影響を及ぼす可能性が高い。
 柴田明夫・丸紅経済研究所所長は「世界の食料在庫率は減少しており、(食料危機と言われた)1970年代と似てきた」と、食料価格がさらに上がる可能性を指摘する。実際、世界の穀物在庫率(年間消費量に対する在庫量の割合)は99年に31.6%だったが、06年には15.5%と半分以下の水準に急減している。

■食料か、エネルギーか
 ブッシュ米大統領は1月の一般教書演説で、10年後に米国のガソリン消費量を20%削減し、トウモロコシを原料にしたバイオエタノールなどの代替燃料を年約1300億リットル供給する目標を掲げた。06年のバイオエタノール生産量の7倍で、地球温暖化対策であると同時に「原油の中東依存からの脱却」を目指す安全保障戦略でもある。これを受け、シカゴ商品取引所のトウモロコシ価格は2月に前年のほぼ2倍に達した。
 米国のトウモロコシ輸出は世界の約7割を占めることから、価格高騰のあおりは他国にも及んでいる。トウモロコシを主食とするメキシコでは、抗議デモが起きるなど社会問題に発展。飼料の価格も上がり、日本の畜産農家に影響が出ている。今のところ、肉の価格には転嫁されていないが、飼料の高値が続くと肉も値上がりの可能性が出てくる。

■大干ばつ
 豪州は06年、降水量が1900年以降最少の地域も出る大干ばつに見舞われた。その結果、小麦の生産量は前年比57%減の不作となり、国際価格を引き上げた。
 地球温暖化は、干ばつ、洪水、海面上昇などを招き、食料生産にも大きな打撃を与える。収穫量が増える地域もあるが、農産物・水産物の適地が移動したり、農地の水没、病害虫の発生などの影響が懸念されている。

◇日本の食料自給率、先進国では突出して低く…
 日本の食料自給率はカロリーベースで40%と先進国では突出して低く、世界の食料事情が悪化すれば必要量を確保できなくなる心配がある。マグロ輸入で日本の商社が、高価格で買い集める中国に「買い負け」するなどその兆しは既にあり、食料不足に備えた国家戦略が必要になっている。

 しかし、食料安全保障をめぐっては意見が割れる。農林水産省が農業をある程度保護しながら自給率を高めようとしているのに対し、経済財政諮問会議では経済連携協定(EPA)などで食料輸入先の確保を優先すべきだとの意見が優勢だ。
 農水省は3月、専門家を招いて「国際食料問題研究会」を発足させ、世界の食料需給見通しの詳細な分析を始めたが、国内農業を維持する理論武装の狙いもありそうだ。

2007年04月30日

新規就農のポイントご存知ですか?

農外から農地を取得して自ら農業経営を始める場合のポイント、皆さんご存知でしょうか。
都市農村交流や農家研修ということで田舎には来てみたものの、なかなか思い通りのことは運ばない・・・という方も多いはず。

全国農業会議所発行「新規就農ガイドブック」よりに簡潔にまとめられているので、是非、チェックしてみてください。
特に、すぐに農業を、農地を取得して始められるだろうと考えている人がいたら、『農地法』の熟読をおすすめします。

(1)意欲と情熱
農外からの就農者は、農家の跡継ぎに比べて、営農条件や生活条件のハード、ソフト全ての面でゼロからスタートする訳ですから、「何が何でも農業で夢を実現するぞ」という強い意欲と情熱が必要です。
今日の農業は、優れた経営能力に加えて、強い意欲と情熱なくしては、農業を経営として成り立たせることは困難であるからです。
新規就農者の実態調査でも、農外からの新規参入者が農業所得で生活できるようになる目処についても「約3~5年」といわれています。

(2)自分の経営像の明確化 (経営作目の選択、経営目標の設定)
一概に農業といっても、稲作、野菜、花き、果樹、畜産、菌茸類と作目の幅広く、しかも、野菜、花きは露地栽培のほか、集約的な施設栽培もあり、さらに栽培方法も農薬や化学肥料を使用する通常栽培法のほかに農薬や化学肥料を使用しない有機農法などの独自のやり方もあります。
また、経営のスタイルも経営作目を単品に絞る単一経営を採用するか、経営リスクの分散や家族労働力の適正配分、または、耕種部門と畜産部門の有機的結合に着目して複数作目を経営する複合経営を採用するか、という問題もあります。
自分の肉体的状況(性格、健康状態など)や自分の持ち合わせの資金額、家族の農業従事状況なども考慮に入れる必要があります。

(3)就農地域の選定
農業をどこでやるか。全国どこでもいいというわけではないでしょう。買ったり、借りたりする農地があるか否かは別にして、ある程度は希望する地域を決める必要があります。
その際、「一定の候補地域」と「どういう農業をやりたいか」というイメージがあれば、候補地域に対して、イメージに合う農地があるかどうかを問い合わせることもできます。作物にはその作物に適した気象条件や土壌条件があり、「どんな作物を作りたいか」も候補地域を選ぶための重要な要因になります。
また、家族の同意を得るためにも生活条件も考慮する必要があります。
就農するに当たって現在の地域を選んだ理由としては、「取得できる農地があった」が最も多く、次いで「自然環境がよい」、「行政や農協の受入れ支援体制が整っていた」、「相談窓口の斡旋による」、「希望作目の適地である」、「その地域をよく知っていた」、「家族の実家に近い」などがあります。
 要は、農業生産の環境や土地柄を考えて、自分たちの一生を託するにふさわしいところを選定することが大切です。

(4)農業技術の習得
農業を営むには確かな技術が必要です。しかも、趣味ではなく、職業として農業を営むのであればなおさら必要なことです。
現在の農業技術は、科学の進歩により機械力や科学力をフルに活用する技術が開発されていますが、農業生産の基本は作物や自然を相手にするものですから教科書どおりにはいかないことが多く、また、家庭菜園程度の広さでやっていた経験が全く役に立たないことがあります。野菜を作るにしても、露地でするのか施設でするのか、また、品種が異なれば管理が全く違ってきますし、地域によっても少しずつ異なってきます。
そこで、「作りたい作目(飼いたい家畜)」と「就農したい地域」など「やりたい農業のイメージ」が決まったら、しばらくの間、先進農家で研修するのも有力な方法です。少なくともその作物の“種まきから収穫まで”の1サイクルぐらいの経験は積んでおくことが必要でしょう。また、「何をやりたいか」が決まっていなくても、体験の意味で研修することも1つの方法です。
研修制度も整備されてきており、その方法も自前で研修するか、公的支援を受けるか、研修期間も長期か短期か、研修内容も机の上での学問的なものか、農作業を行う実習中心か、などいろいろです。目的にあった研修制度をうまく利用することです。

(5)資金の確保
新しく農業を始めるには、初期投資として農地の購入、畜舎等施設の建設、トラクター等農機具の購入等の設備投資資金が必要なほか、種苗や肥料・農薬の代金など1年間営農するのに必要な資金や、現金収入が入るようになるまでの生活資金も必要です。
要な営農資金額は、経営作目によって異なりますので、まず、「どの地域で就農し、どんな農業(何を作る、何を飼う)をどんな規模で行うか」を明確にして、営農計画と生活設計を綿密に立てることが特に大切です。
できる限り自己資金を活用することが望ましいのですが、公的な融資制度を有効に活用するのも一つの方法です。
しかし、借りるには一定の要件が必要です。また、融資額や信用状況に応じ、担保や保証人を必要とします。

(6)農地の取得
新しく農業を始めるに当たって、農地の取得は基本であり大切なことです。
就農先で農地を取得するには本来、自分の目指す経営作目や家族の納得する生活条件などを考慮して就農候補地をいくつか設定し、その中で必要な農地面積、日照条件、土壌条件、水利権など、更に購入する場合は農地価格を十分検討して選定することが望ましいのですが、農地は先祖から受け継いだ農家の貴重な財産であるため、農地の売買は必ずしもスムーズに進むとは限りません。
農地情報に詳しい市町村農業委員会によく相談し、情報を収集するとともに、就農先として狙った地域において信頼関係をつくることが、希望条件に近い農地を取得する方法といえます。
農地取得の方法としては、農地の所有者から買い取ることと、借り入れることが考えられますが、新規就農者の場合、借り入れるケースが多いようです。
ところで、農地等(農地または採草放牧地)を買ったり借りたりする場合は、農地法などの許可が必要になります。その窓口は市町村農業委員会です。許可を受けないと、当事者間で契約を結び金銭を支払って、せっかく農地を取得しても登記もできません。(自分名義にならない)
新規就農者が農地を取得する場合、新規就農者であるからという理由で許可されないということではありませんが、この許可に当たっては次の要件を満たす必要があります。

①取得者(またはその世帯員)が取得する農地及び現在所有し、または小作している農地のすべてを耕作すると認められること。
②取得者(その世帯員)が必要な農作業に常時従事すると認められること。
③取得後の経営面積が原則として北海道で2ha以上、都道府県で50a以上
(農林水産大臣の承認を得て都道府県知事が別段の面積を定めた地域については、その面積以上となること〈賃貸する面積も含めて〉)注:都道府県の場合30aと40a
④通作距離との関係からみて取得する農地等を効率的に利用して耕作すると認められること。

具体的手続きは、取得する農地のある市町村農業委員会へ、農地の所有者と連署で売買または賃貸の申請書を提出する必要があります。
一般的に、農地を取得(賃貸含む)して耕作するには、農地法第3条許可申請を、農地取得後に住宅や畜舎などを建てる場合には、農地法第4条許可申請を、更に住宅や畜舎などを建築するために農地を取得する場合には、農地法第5条許可申請の手続きを行うことになります。

農地のことをもっと知りたい方は、農林水産省「農地を取得しよう」、 全国農業会議所「田舎の農地相談室」の「農地の法律がわかるQ&A」

(7)農業機械と施設の取得
現代の農業は、一般的にはかなり施設化、機械化しており、新規に農業を始める場合、すべてを一度に揃えようとすれば、多くの資金を必要とします。
しかし、新規就農の場合、まず農地購入の資金や、2~3年は無収入と想定した場合の生活資金の準備などに多くの資金を必要とし、施設や機械の購入まで資金的に余裕がないのが一般的です。そこで、新規就農者の場合は、当初は必要最低限の農機具や施設を手当てし、経営が軌道に乗り始めてから徐々に装備を充実していくのが賢明です。
中古品やリース、借り受けなどで対応するのも負担を軽減する方法のひとつです。

(8)住宅の確保
農業を始める場合、当然そこに家が必要になります。農作物の栽培は、常に、自然現象に大きく左右されます。適時、適切な栽培管理をしていくためには、できるだけ住居と農地を合わせて手当てすることが望ましいでしょう。
新規就農者の就農実態調査では、農家の空き家を利用している者46.3%、民間住宅11.7%、新築9.7%、公営住宅8.7%となっています。

(9)就農支援措置の活用
新規就農を支援する措置が、充実しつつあり、うまく活用するのもひとつの手です。
支援措置の主な内容は、実際に就農するまでの研修の支援・助成、機械・施設導入に係る低利融資制度など内容が充実しつつあります。
しかし、自分の目指す経営像を基本としながら支援措置の趣旨および内容を吟味して、自分の就農の具体化に向けて主体的に有効に活用することが大切です。

(10)家族の同意
新しく農業を始める場合、意外と見落としがちで重要なのが家族の同意と理解を得ることです。家族の協力がないと新規就農がうまくいかないといっても過言ではないでしょう。
特に結婚している方にとって、配偶者の理解はとても大切で、農作業および農業経営のパートナーとして、また農村生活者のサポーターとして、皆さんを強くバックアップすることになります。
子供にとっては、豊かな自然にふれられる反面、学校や友人関係および生活環境が大きく変化するなど大きな不安を抱くこともあり、現地に同行してよく理解させることが大切です。更に、独身者にとっても親などの理解を得ることは大切です。
精神的な支えや資金的な援助を受けたり、融資を受ける際の保証人になってもらうことができます。
なお、「農業は一人ではできないため一生の伴侶を見つけてから就農することが望ましい」と助言する新規就農者もいます。
従って、就農相談の過程で、相談窓口や就農候補地の下見等には、なるべく家族の方を同行するなど、就農について家族全員で取り組む姿勢が大切です。そのことが家族の理解を深め、就農後の展開をしっかりした方向に導くことになるでしょう。

(11)地域社会とのコミュニケーション
農村に住んで農業を始めるということは農村社会の一員ともなるわけで、地域住民とのコミュニケーション(いわゆる“ムラづきあい”)が大事です。農業で成功するかどうかは、地域社会にどれだけ溶け込めるか、地域の人とうまくおつきあいできるかにかかっているといってもいいでしょう。
そのためには、集落の会合や行事、共同作業などに積極的に参加し、場合によっては一定の役割も担うなどの努力が必要です。
また、集落には、水路掃除はいつ行う、神社の掃除はいつ、出なければ○○円の罰金 ― というような一定のルール(約束事)があります。このことは、紙に書いているとは限らず、口約束の場合も多いので、集落に入ったら、どういうルールがあるかを確認することが大切です。更に、その地域内に農業に限らず、腹を割って何でも相談できる人を確保しておくことも重要です。
そのほか、就農前の研修期間中から、地元の農家と積極的につきあうことも重要で、そのことが、実際の就農をスムーズにさせることでしょう。
要は、就農先に、できるだけ多くの知り合いをつくっていくことが重要です。

(12)就農後の留意事項
サラリーマンなどから、新しく農業を始められる方は、つぎの点に留意してください。
○サラリーマンのときには、給与から一括差し引かれていた税金、福利厚生費のうち、市町村民税、国民健康保険料は前年度の所得額に対し、課税されます。
○これまでの厚生年金に代わって、農業経営者など自営業者の加入する「国民年金」は満20歳以上の者すべてが対象になります。さらに、農業経営主には「農業者年金」への加入が義務づけられています。
○就農と同時に始まる農業資材や生産物の取引等の経済活動は、地域のJAを通じて行うことが多いため、JAの組合員となるための手続きも必要です。

(13)家族経営協定の勧め
わが国農業の経営形態は、家族を中心とした営農の営み(いわゆる、家族農業経営)が一般的ですが、経営内における個人の地位及び役割が明らかになっていないことが若者達の就農意欲の低下の一因ともなっております。
農業を職業として選択した者が、経営内における個人の地位や家族の役割分担・休日・休暇、就業条件、収益の分配などに関するルールが明確化され、意欲をもって農業に取り組むことができるよう就農条件を整えることが必要です。
その手段として、農林水産省「家族経営協定について」を結ぶことが、家族の意欲の増進と能力の向上、さらには、生活運営の近代化が期待されるものです。

全国農業図書で必要な図書を探しましょう!