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2008年04月25日

自治組織機構の変革へ

少子高齢化や産業縮小・衰退、過去の起債のつけなどにより、地方行政は慢性的な財源不足にあります。
そんな中、北海道の自治体に少しづつではありますが、大胆な組織機構の変革への移行を告げる取組が見られます。

北海道庁では、平成17年度に「赤レンガチャレンジ事業(ゼロ予算事業)」のなかで、民間企業とのタイアップ事業(知事政策部)が創設されています。この事業は民間の社会貢献マインドと公共の信用力を組み合わせて双方にとってのメリットを最大化するものです。
民間企業にも多くの公的事業や公的体質をもつ企業体があることも確認されつつある今、北海道庁が実施している事業に取って代わる、あるいは課の仕事が丸ごと民間化されることを真剣に考えるべきでしょう。私達の行政の最大のコストは人件費です。

札幌市では、平成20年度から各地区に展開している「まちづくりセンター」が地域住民に移行されるそうです。運営担当者の人件費は685万円で、活動を支援する地域交付金を創設して順次移行の手続きを行うそうです。
市職員の意欲により地域の盛り上がりに差が出ていた不公平や他人任せな住民から、自治の自己責任を背負う町内会組織への移行は、誘導の仕方によっては、地域人材の有効活用に非常に素晴らしいチャンスになるはずです。

恵庭市では、専門人材として民間コンサルタント会社などに努めていた地域プランナー数名を自らの職員に迎え入れる中途職員採用を行いました。
自治体財政の逼迫とともに発注が激減し、現在地域づくりノウハウが遊んでいるコンサルタント会社の人材を自治体に吸収する動きは非常に理にかなっています。
将来的には、各市町村に当たり前のようにある産業振興や企画、都市計画、住宅などの部や課を数町まとめて一括して専門会社に移すぐらいのことを考えるべきでしょう。

このような動きをもとに、これからの強い北海道の骨太な組織図式を大胆に描いていくか、これこそが経済、人材、地域、財政・・・多くの課題を解決する最良かつ唯一の道です。

2008年04月09日

水の革命

世界中で水問題が深刻化する中、水使用及び食料生産に起因する大きな環境負荷を他国につけまわしている食糧輸入国、そして自給率低下を容認している日本の罪深さを認識しなければならない事態になっています。

ということで、今回は、水の危機とうことで、本の紹介です。

水の革命

イアン・カルダー(ニューキャッスル大学土地利用水資源研究センター所長)[著]
蔵治光一郎+林裕美子[監訳]
3000円+税 A5判 上製 288頁 2008年1月発行 ISBN978-4-8067-1359-3
2008年1月31日発売

「緑の革命」から「水〈青〉の革命」へ。
世界の水危機を乗り越えるために、水資源・水害・森林・流域圏を統合的に管理する新しい理念と実践について詳説。
「水〈青〉の革命」とは……
土地利用、生態系、社会・政治システム、人間の心のあり方を含めた、水の合理的・倫理的な分配・利用を実現する、従来の水管理とは質的に異なる新たな水のガバナンス。
森林と水に関する諸説を検証し、土地利用と水循環、利用可能な地表水・地下水量推定の新しい手法、経済開発・環境保全・社会的公平性・持続可能性を両立させる政策、流域圏での土地・水資源の適切な配分の枠組みを解説。

監訳者まえがきからの抜粋

21世紀は「水の世紀」とも言われる。
1995年に当時世界銀行副総裁であったセラゲルディンが「20世紀の戦争が石油をめぐって戦われたとすれば、21世紀は水をめぐる争いの世紀になるだろう」と発言した。「世界の水危機」といった言葉も耳にするようになり、現状を放置すると、50年後には世界の水問題は危機的・破滅的状況に陥る可能性まで指摘されるようになった。

21世紀の地球で、温暖化とともに人類最大の脅威と言われる「水危機」を克服するために必要とされている革命的な意識改革と技術革新を総称して「青の革命」と呼ぶ。

1798年にマルサスが「人口は幾何級数的に増大するが、食糧は算術級数的にしか増加しない」と警告した。この「食糧危機」に対して人間は、灌漑による乾季や乾燥地での食糧生産、農薬や肥料による生産性向上、高収量の作物の開発などに成功し、結果として人口増加に見合う食糧の増産をある程度達成したことを「緑の革命」と呼んでいる。
人類史上画期的な出来事であったが、水や農薬や化学肥料を多用するやり方はさまざまな犠牲をともなった。

日本は、水に恵まれた国であり、森林に恵まれた国でもある。水資源はあまり気味であり、利用されずに放置されている森林が増えている。そのため、水危機や食糧危機と言われても、大多数の日本人にとっては、それは海の向こうの話にすぎず、深刻な問題としてはとらえられていない。

日本が水や森林に恵まれているのは、日本の人口が少ないからでもなく、日本人1人当たりの水や木材の使用量が少ないからでもない。
江戸時代には日本の水や森林は食糧や燃料の生産のために極限まで利用されており、そうしなければ人間は生きていけなかった。
日本の土地と水資源を最大限に利用して生産可能な食糧だけで養える人口は、江戸時代末期の推定人口(約3000万人)より少し多い程度でしかない、という試算がある。
現在、日本でその約4倍もの人間が生活できているのは、輸出元の国で水を利用して作られた食糧を大量に輸入しているからである。日本は食糧を輸入することで、仮想水、バーチャル・ウォーターを大量に輸入していることになり、輸出元の国の水資源に負担をかけている。

流域という言葉に対する人びとの認識が微妙に変わってきた。
かつて「流域」とは、水供給、灌漑、水力発電の目的で水を集めるための貯水池を建設する川の上流域を意味していた。
現在は、水循環の最小単位と考えられており、この単位が地球上の全地表面をくまなく覆う。水の需要が増加するにつれて、山間部の源流域だけでは必要量を満たせなくなるので、このような考え方に移行するのは避けられないことである。
水を再利用する必要が出てきたことや、新たな地下水源を見つける必要が生じてきたということは、私たちが地球上のあらゆる地表面を、水供給の場であると同時に汚濁水を受け入れる場としてもとらえるようになってきたことを意味している。
この新しい認識に立つと、人間の活動と環境をもはや無視するわけにはいかず、人間活動にかかわる問題も、環境にかかわる問題も、流域や水資源の管理という面からますます重要視されるようになってきている。

 統合的土地・水資源管理(ILWRM)の概念は、気候変動や世界人口増加にともなう食糧問題は、将来的に「青の革命」が乗り越えなければいけない課題である。



【目次】


監訳者まえがき
日本語版序文

序章 革命

第1章 新たな理解――土地利用と水の相互作用――
異なる植生からの蒸発散
背丈の高い森林と背丈の低い農作物からの蒸発散が異なる主な理由/蒸発散量の測定方法
土地の劣化
土地劣化の原因/アジア:ヒマラヤ環境悪化理論/アフリカ:土地劣化の原因/土壌劣化の拡大と深刻さ/水による浸食/面状浸食/水路浸食/土砂移動/植生、森林、浸食/雨滴の大きさの変化/雨滴衝撃による浸食:観測例/雨滴衝撃による浸食:日本における研究例
土地利用、気候変動、そして水資源

第2章 森林と水――神話と俗説――
森林は降雨量を増加させるか?
森林は流出量を増加させるか?
森林は流出量を制御し乾季の流量維持に寄与するか?
森林は土壌浸食を減少させるか?
森林は洪水の発生を抑制するか?
森林は水を「浄化」し水質を向上させるか?
アグロフォレストリーは生産量を向上させるのか?
「古いパラダイム」からの脱却

第3章 水資源と「制限」概念――蒸発散量を推定する総合的アプローチ――
温帯湿潤気候:背丈の高い森林と背丈の低い植生
移流による制限/日射量と生理学的作用による制限
温帯乾燥気候:背丈の高い森林と背丈の低い植生
生理学的作用および土壌水分量による制限/日射量と土壌水分量による制限
熱帯乾燥気候:背丈の高い森林と背丈の低い植生
土壌水分/樹木の大きさ
熱帯湿潤気候:背丈の高い森林
雨滴サイズによる制限/日射量による制限

第4章 新たな理念
環境と初期の発展
ダブリン原則
経済発展と構造調整プログラム
水の価値/水の需要調整/経済財としての水/水に価格をつける/土地利用の価値
理念の実施
水は農業のためのものか、自然環境のためのものか?――世界の食糧需要を満たすために/統合的水資源管理(IWRM)に沿った農林業戦略/水配分の優先順位
世界ダム委員会―― 経済成長、社会的公平性、環境保全、政治的側面の融和
国連環境開発会議――ミレニアム開発目標(MDG)に向けて
ミレニアム開発目標
欧州水枠組指令

第5章 政治、権力、犠牲
流域開発計画――貧しい人の利益になるのか?
流域閉塞の原因/土壌水分保全――水の大口使用者として/林業――水の大口使用者として/灌漑――水の大口使用者として/流域閉塞による犠牲/関係者の対立――電力と気候変動/政府機関と援助機関にとって「好都合な定説」?/今後の展望
洪水の制御――林業関係者、環境保護主義者、土木事業関係者
水害と人びと/森林と水害――対照的な認識、知識、手法/俗説を正し、勢力争いを解消する――統合的洪水管理と統合的流域管理/統合的洪水管理に向けて/洪水・水害と新しい政策の開発
中国:世界最大の実験?――天然林保護計画と退耕還林計画
世界最大の環境問題?――気候変動とクリーン開発メカニズム
流域環境機能の取引――貧しい者に恩恵はあるか?
犠牲を避けるには――政策の成果を評価する必要性

第6章 水資源をめぐる対立
マラウィ:土地利用形態の変化と湖の水位
インド:ユーカリ、灌漑、水力発電、水資源
ユーカリの問題/土地利用と水資源についてのカルナータカ州での現地調査
イギリス低地における対立:樹木と水不足
ニュージーランド:水問題と土地利用
水問題のとらえ方/土地利用形態の変化とその影響
日本:破綻しかけの財政、公共事業、緑のダム
実情――何がなんでも公共事業/土木工事と自然環境・森林の対立/洪水対策を統合的に推進する

第7章 統合的土地・水資源管理(ILWRM)
概念と原則
土地と水のガバナンス
統合的土地・水資源管理(ILWRM)の方法論
「緑の水」と「青の水」の定義/世界の食糧需要を満たすのに必要な水の量を推定するための「緑の水と青の水」の取り組み/緑の水政策の手段/配分の公平性/水配分、トレード・オフ、交渉理論
人間にかかわる側面に対応する「ソフト」なツール
参加型アプローチ/土着の知、地域特有の情報
意思決定支援のための情報技術(IT)
ILWRMのための意思決定支援システム(DDS)/NELUP意思決定支援システム/意思決定支援、協議支援、EXCLAIM普及ツール
行政組織と学術機関の橋渡し
青の革命――将来展望
神話に対抗するための研究/開発計画を成功させるための情報共有/開発の振り子の方向を変える

2008年03月03日

協同出資・協同経営で働く仕組み

2月20日、「協同出資・協同経営で働く協同組合法を考える議員連盟」の発会式が衆議院第1議員会館で行われたという記事を見ました。

「協同出資・協同経営で働く協同組合法」(仮称)とは、協同組合のうち「ワーカーズ・コープ」など協同でお金を出し合って地域で働く仕組みを法制化しようとするもので、坂口力・元厚生労働相の呼びかけで発足した超党派の議員連盟です。

何故このような法制化が必要になったのか、というところまでは追跡していませんが、現在の、北海道の集落状況を考えると、生き残るための手立てとして十分に検討の余地があります。
多くの高齢者と数少ない意欲ある若者が、集落の日々の暮らしと一定の運営資金を回転させ、地域の新しいセンスを確立するための貴重な手段だと考えています。

地域に必要な機能を事業化し、働く人が資本と経営権を持って民主的経営を行い、自ら働いて報酬を得る事業体であり、実際に福祉サービス、介護サービス、児童福祉から物流まで幅広い事業を現在行っています。
また、これらは営利追求のみの私企業と異なり、協同組合の原理にもとづき、非営利の公共的な仕事も多く行うのが特徴です。

沖縄の地域共同店や徳島県上勝町の株式会社いろどりなどは、限界集落の行方が課題となっている現在においては、その代表的な例でしょう。

そもそも、「協同組合」とは、働く人が資本と経営権を持って民主的経営を行い、自ら働いて報酬を得る自治事業体で、18世紀に失業者によるイギリスのロッチデール公正開拓者組合から発して、1895年にはICA(International Co-operative Allience、国際協同組合同盟)が設立され、世界的な規模で広がっています。

 日本でも、古くから農業協同組合(農協)、漁業協同組合(漁協)、市民生活協同組合(生協)、労済生協事業協同組合、住宅生協、医療生協、労働金庫、労働者協同組合などが存在しています。
 
 そして今、これらの協同組合のうち「ワーカーズ・コープ」など協同でお金を出し合って地域で働く仕組みを法制化する、仮称「協同出資・協同経営で働く協同組合法」制定の動きが本格化しているというわけです。
「ワーカーズ・コープ」は、現在、便宜的に特定非営利活動法人や企業組合の制度を利用して事業を行っていますが、その総計は従事者が3万人で年300億円規模ともいわれています。

この協同組合は4つの要件が柱とされています。
①自発的な仕事おこしを協同労働により実現する。
②働く意志のある人々が、共同で出資し、共に労働し、経営する。
③組合員は、働く人々からなり、働く人々が組合員となる。同時に、目的に賛同し出資する人々も、組合からサービスを受ける利用者も、組合員となれる。
④剰余を起業支援、教育、地域社会の福祉を担う事業のために積み立てる。

④ができれば・・・・。
この法制を整備すると、これまでの事業活動とどのような違いになるのか、また、法制化とともに、地域の施策とどのように連動させられるのか、今後の展開に注目していきたいと思います。

2008年01月06日

次回「ガイアの夜明け」は必見!

日経スペシャル「ガイアの夜明け」の次回放映は必見です。何故、日本は世界一の長寿企業国と言われるのか?そこには意外な企業規範があるはずです。
以前にもNHKで同様の放映があったかと思います。これは再放送ではないと思いますが・・・・。
そのときには、経営者と棟梁との関係や、経営者を養子で迎えることなどがあったかと思います。
21世紀を生き抜く社会企業のあり方へのヒント、楽しみです!!

ニッポンの伝統力
~世界一!老舗企業の底力~
(2008年1月8日 放送)

日本には創業してから100年以上の歴史を持つ企業が10万社以上もあり、この数は、世界一だという。
そうした100年を超える伝統の技が生かされているのが、実はハイテクの分野で、シェア世界一を誇る企業も珍しくない。
小型化する携帯電話や手振れ機能が進化するデジカメを支えるのは、老舗の水晶ディバイスメーカー。雨にも曇らない自動車のドアミラーや次世代エネルギー電池の基幹部分などにも老舗企業の技術が用いられている。
今や日本のみならず世界のハイテク企業の先端を担う老舗企業。本業の伝統を守りつつ、競争が激化する現代にも生き続ける姿を追う。
また、老舗中の老舗、世界一の歴史を持つ企業も日本にあった。創業578年、1400年の歴史を持つという寺社建築の金剛組。
しかし、1年半前に経営が破たん。何とか歴史ある職人技を残そうと本業を見つめなおし、再生を目指す。
食品偽装などで老舗ブランドに胡坐をかいた企業が今問題になっている一方で、本業一筋で愚直にその道を極めようとする世界一の老舗企業たち。その真髄に迫る。


ちなみに、ガイアとは?

「ガイア」とはギリシャ神話に登場する「大地の女神」を意味し、後にノーベル賞作家のウイリアム・ゴールディングが「地球」を指して“ガイア”と呼んだことから「ガイア=地球」という解釈が定着しています。
「ガイアの夜明け」という番組タイトルには、地球規模で経済事象を捉えることで21世紀の新たな日本像を模索すること、そして低迷する経済状況からの再生= 「夜明け」を目指す現在の日本を描くという意味合いが込められています。